グリーン債に独自の「プレミアム」は存在するのか

【連載】ALTキーワード

今回紹介するキーワード:グリーニアム

環境関連事業(気候変動の緩和や環境汚染の低減など)の資金調達手段としてグリーンボンド(グリーン債)の発行が増加中だ。この種の債権について「グリーニアム(greenium)」が存在するかどうかが、ここ数年、市場関係者の関心事となっている。

グリーンニアムとは「発行条件が同じである他債券と比べた時に、グリーン債が高価格/低金利になること」を意味する。

もしもグリーンニアムが存在する場合、債券の発行体(つまり環境関連事業を行う政府や企業など)は、より低いコストで資金を調達することが可能になる。

しかし、そのような高価格/低金利が存在するかどうかは、研究により見方が分かれる。仮に存在したとしても、それは現時点における「グリーン債の希少性や人気」が影響しているとする見方もある。

ウォール・ストリート・ジャーナル(2020年12月18日)によれば、フランスの資産運用会社アムンディの試算によるグリーニアムは最大で11ベーシスポイント(1ベーシスポイント=0.01%)であったとしている。一方でスタンフォード大学の研究によれば、この種の優位性がほとんど見られなかった。

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もり ひろし(新語ウォッチャー)

新語ウォッチャー。国語辞典の新項目執筆を中心に活動。代表的な連載に「現代用語の基礎知識」の流行観測欄(2010年版~)など。執筆記事一覧

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