この統計を毎年発表しているのはWISEという英国の公益法人だ。行政団体と機会均等促進委員会の連携から発展した組織で、産官学を結び女性のSTEM分野への進出を促進するために設立された。プレミアム会員には銀行や製薬企業などの名が並び、200以上の大企業と大学などがコア会員として参加している。
また、女性や人種などのダイバーシティー雇用のベンチマークレポートを提出して共同参画度の診断を受けるThe WISE Ten Steps認証プログラムは多数の企業に利用されている。
会員の中には、ロレアル、アマゾンUK、スカイTV、フォード、シェル石油など独自のSTEM教育と支援プロジェクトを展開している企業が少なくない。ロレアルはユネスコと組み1998年からFor Women in Scienceと名付けたプログラムを展開、研究者への奨学金制度や賞の授与を行なっている。2月にロレアル科学国際賞を受賞した5名の科学者の一人は日本の化学者、野崎京子教授だ。
シーメンスは小学生にSTEM科目への興味を触発する授業プログラムを開発し、英国の正式な教育カリキュラムの一環として全国の学校で使われるようにした。プログラムは男女が対象だが、その中には科学や技術専門職を目指す女子生徒に対する、男子生徒や教師からの偏見の払拭というガイダンスも入っている。
アマゾンUKは2018年からWISEと共同でSTEM学習への関心を高めるプログラムを小学校低学年の女子向けに実施している。ー昨年は「国際女性デー」や2月の「国連科学における女性と女児の国際デー」などに各地の小中学校で「キャンプ・アマゾン」ワークショップを開催し、科学実験やコンピューターゲームをプログラムするアクティビティ等への女子の参加を促した。
ロックダウンで休校が続いているため、昨年と今年は無料ポッドキャストの配信などを行なっている。また、低所得家庭の女子生徒に大学で工学やコンピューター関連の学科を学ぶための奨学金を提供している。
すべての理系分野で女性の活躍を
