「海を守る」一つ星シェフ、未利用魚をご馳走に

味が良いのに骨が多い、数がそろわない、傷みやすいといった理由で漁獲しても流通に乗せにくい魚は捨てられる場合も多い。フレンチビュッフェの「シンシアブルー」(東京・渋谷)は、そうした未利用魚も積極的に活用している。

同店は、ミシュラン一つ星レストラン「シンシア」のオーナーシェフで、持続可能な魚食を目指す料理人の集団「シェフス・フォー・ザ・ブルー」の理事でもある石井真介氏の新事業である。

右から3番目が石井真介氏

サステナブルに特化した店を創るためクラウドファンディングを立ち上げ、目標額の4倍近い約1900万円の支援を得て、2020年9月に開店した。現在日本で入手可能なMSC・ASC認証品の多くは輸入冷凍品であり、高級店では扱いづらい。そこでカジュアルな店を創り、新規メニューに導入した。

未利用魚の知られざる魅力もシェフの腕で引き出し、「100年後の海を守る」魚食を提案している。

chiyosetouchi

瀬戸内 千代

オルタナ編集委員、海洋ジャーナリスト。雑誌オルタナ連載「漁業トピックス」を担当。学生時代に海洋動物生態学を専攻し、出版社勤務を経て2007年からフリーランスの編集ライターとして独立。編集協力に東京都市大学環境学部編『BLUE EARTH COLLEGE-ようこそ、地球経済大学へ。』、化学同人社『「森の演出家」がつなぐ森と人』など。

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