イタリアで生まれた地域活性化の取り組みである「アルベルゴ・ディフーゾ」。集落内に点在する空き家を宿泊施設に改装し、集落全体を一つのホテルに見立てたものだ。
日本でも「分散型ホテル」として営業が可能となり、2015年の「篠山城下町ホテル NIPPONIA」を皮切りに開業が相次ぎ、町や村全体にステイする体験を楽しめると人気が高まっている。
山梨県の多摩川源流の村が一つのホテルになった「NIPPONIA 小菅源流の村」は、東京から車で2時間の距離。
人口700人、原生林に囲まれ農山村の昔ながらの暮らしが残る古民家が客室だ。2021年2月に売り出した期間限定のプランは、発売直後に完売となった。
中山間地域の過疎化や空き家問題が深刻化するなか、山村の資源を最大限に生かして持続可能な経済循環をつくるチャレンジに注目したい。