島津製作所、新型コロナ変異株を検出するキット開発

島津製作所は3月17日、新型コロナウイルス変異株をPCR検査で検出する「コア試薬キット」と「ウイルスを検知する試薬」を開発、発売したと発表した。PCR検査で変異株の検出が迅速にでき、疫学調査の拡大にも貢献しそうだ。(山口勉)

両製品は、昨年発売した「2019新型コロナウイルス検出試薬キット」をベースにしており、複雑な処理を行わずにウイルスの特定の変異部位を検体から直接検出することが可能だ。まずは公的な検査機関や臨床検査会社に提供を開始した。

厚生労働省によると、3月9日までに空港検疫や日本国内で345人の変異株感染が確認された。注視されている英国変異株、南アフリカ変異株、ブラジル変異株では共通して「N501Y」という遺伝子が変異しており、従来株よりも感染力が増している可能性がある。新しい試薬セットはこのN501Y変異部位を識別することで従来株か変異株かを判定する。

同社は現在確認されている変異株だけでなく、今後出現する変異株の検出にも即座に対応していく考えだ。コア試薬キットは検体処理液、反応液、酵素液での3試薬で構成しており、ウイルスを検出する試薬はコア試薬キットとは別に提供される。試薬を別にすることでN501Y変異以外の変異の検出にも柔軟に対応できる仕様となっている。

まずは従来株とN501Yを有する変異株の識別に使用する本試薬セットを提供し、今後はその他の変異に対応する試薬も開発する。これらは検査機関が独自に設計した試薬にも対応させていく。

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山口 勉(オルタナ副編集長)

大手IT企業や制作会社で販促・ウェブマーケティングに携わった後独立。オルタナライターを経て2021年10月から現職。2008年から3年間自転車活用を推進するNPO法人グリーンペダル(現在は解散)で事務局長/理事を務める。米国留学中に写真を学びフォトグラファーとしても活動する。 執筆記事一覧

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