ネスレCEO「2020コミットメント28/36を達成」

ネスレのマーク・シュナイダー最高経営責任者(CEO)は23日、「CSV & サステナビィリティ・レポート2020」を公表した。同社は共通価値の創造(CSV)に向け、「個人と家族」「コミュニティ」「地球」の3分野に対し2020年末までに達成すべき36のコミットメントを掲げ、国連持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた取り組みと位置付けている。同CEOは「36のコミットメントのうち28を完全に達成した」と強調した。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)

マルク・シュナイダーCEO(左)とポール・ブルゲ会長出所:CVS&サステナビィリティ・レポート2020

今後継続的に取り組むコミットメントは8つだ。

「個人と家族」で「砂糖、ナトリウム、飽和脂肪の更なる減少」。

「コミュニティ」で「農家の食料の入手可能性と食事の多様性の改善」「責任ある調達による動物福祉の促進」「ココア農家とのネスレココアプランの展開」「事業全体にわたる人権への影響評価と対処」「青少年向けキャリアサポートの全ての事業への展開」。

「地球」で「水の持続可能性」「農業サプライヤーとの連携」である。

同レポートの会長、CEOメッセージの要旨は次の通り。

「2020年は並外れて挑戦的な年だった。COVID-19パンデミック対応として、消費者にとって不可欠な食品、飲料を提供するだけではなく、赤十字等に緊急に必要なものを提供する救急サービスと介護者を支援し医療制度の強化をサポートした。外食産業に対しクレジット条件の延長、レンタル料金一時停止のサポートをした。これが共通価値創造(CSV)の特徴だ」

「環境への影響を最小限に抑えながら、素晴らしい味と栄養を提供する製品の価値を高めた。例えば植物ベースの製品であるGardenGourmetブランドを立ち上げた」

「パンデミックの中で、継続性を確保するためインターンシップのオンライントレーニングを拡大した」

「製品包装の環境パフォーマンスを改善するため、3,000万米㌦(約32.4億円)を持続可能な包装に投じた」

「2050年ネットゼロロードマップでは、排出量を削減する具体的期限付き目標として、今後10年以内に数億本の植栽、2025年までに再生可能電力100%への移行する」

■3年連続で収益性改善、電子商取引は48%増

レポートに先だち3月16日に発表した2020年年次報告書では、「COVID-19の影響にもかかわらず、3年連続で売上成長、収益性、資本効率の改善を達成し、魅力的で高成長のビジネスに焦点を当てたターゲットを絞った買収と売却を通じて、ポートフォリオ変革を続けた」

「デジタルトランスフォーメーションにより、オンラインショッピングが急増した1年間で、電子商取引の売上高は48.4%増加し、2020年のグループ全体の売上高の12.8%を占めた」と強調した。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #サステナビリティ

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