CSR担当者リレーコラム第3回:JAL

「未来に飛ばす紙ヒコーキ」、14年続くJALの空育

CSRリレーコラム(3)

企業のCSR担当者によるリレーコラムを始めます。参加するのは、12社のCSR担当者の皆さん。SDGsや脱炭素など、サステナビリティの潮流は高まるばかりです。CSR活動もますます重要になっています。各企業の担当者には、「自社の一押し活動」から日々の悩みなどを書いていただきます。第3弾は日本航空・ESG推進部社会貢献グループの小橋貴彦さんです。

*CSRリレーコラム参加企業一覧
フジテレビジョン
リコージャパン
日本航空
セブン&アイ・ホールディングス
リクルート
千代田化工建設
帝人
トヨタ自動車
ゴールドマン・サックス
三菱地所
ミツカン
MS&ADインシュアランスグループホールディングス

JALグループでは、次世代育成を目的とした社会貢献活動「空育」の一つである「JAL折り紙ヒコーキ活動」を2007年から実施しています。活動の中心である「JAL折り紙ヒコーキ教室」は、指導員資格を有する約1,900名のJALグループ社員が、国内外の子どもたちに、切ったり貼ったりせず一枚の紙を折ることだけで作る紙ヒコーキの折り方を教えています。2019年度には国内外で365回開催し、約4万人の方にご参加いただきました。(日本航空・ESG推進部社会貢献グループ=小橋 貴彦)

JALが2007年から続ける「折り紙ヒコーキ」

折り紙ヒコーキは、子どもも大人も手軽に楽しめる遊びですが、自分自身で飛行機を作成することに始まり、整備、そして操縦まで、全てを経験できることから、参加者の皆さまの瞳がキラキラと輝く瞬間が沢山見られます。お客さまとJALグループの社員が直接触れ合うこの活動を通じて、空への夢や航空会社の仕事への興味が広がっていくことを期待して、私たちはこの活動を行っています。

折り紙ヒコーキ教室に加え、滞空時間を競う折り紙ヒコーキ大会も開催しています。日本各地での予選を勝ち抜いた精鋭たちによる「第3回JAL折り紙ヒコーキ全国大会」の決勝大会を2020年3月に予定していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、皆さまの安全・安心の確保が難しいことから一度延期とし、最終的には2020年12月に開催中止の決断をしました。

ただし、単に開催を中止するのではなく、皆さまのために何か企画できないかと大会を主催している折り紙ヒコーキ協会と知恵を出し合い検討した結果、二部構成のオンラインイベントを実施することにしました。

第一部は「折り紙ヒコーキイベント」を実施しました。折り紙ヒコーキ協会の戸田会長は、折り紙ヒコーキ室内滞空時間競技のギネス記録(29.2秒)保持者であり、選手の皆さんは、戸田さんから直接指導を受けたいと思っています。

一人でも多くの方のご希望に応えるために、事前にメールで寄せられた質問すべてに答える動画を撮影、編集しました。紙ヒコーキのことだけでなく、人生のアドバイスまで幅広くとても興味深い内容となりました。

折り紙ヒコーキを活用した国際交流も目指す

また、ギネス記録を樹立した紙ヒコーキの折り方を実際に指導するコーナーも企画しました。折り方の繊細な部分が良く見えるようにカメラワークを工夫し、何度も撮影の練習をしたところ、参加者からはオンラインでも分かりやすかったと好評を得ることができました。

第二部は、「JALリモート工場見学」特別版を実施しました。工場見学もリアル開催は中止していましたが、昨年11月からリモートでの開催を開始していましたので、折り紙ヒコーキファン向けにアレンジを加えて実施しました。

当日のスタッフを全員折り紙ヒコーキ指導員メンバーとし、ナレーションの随所に折り紙ヒコーキに関するコメントを入れて、特別感を演出しました。

さらに、イベント前日に、一人ひとりのお名前を刻印した参加記念カードや、JALカラーの真っ赤なTシャツなどの大会記念品を選手の皆さまにお届けしました。当日、お送りしたTシャツを着て参加してくださった方が何人もいらっしゃり、イベントの一体感がグッと上がりました。

開催後のアンケートでは、「困難な状況の中でも社会貢献活動に取り組んでいる皆さまの気持ちに大変勇気づけられています。心より感謝です」「全国大会の代替としてファンイベントを開催していただきありがとうございました。楽しいひとときを過ごすことができました」などのお声をいただきました。コロナ禍においても諦めることなく、お客さまのためにパーフェクトを目指して取り組んで良かったと思っています。

まだまだ厳しい状況が続きますが、将来を担う次世代育成に積極的に取り組み、折り紙ヒコーキを通じて日本と世界をつなぐ国際的な交流も拡大するべく、チャレンジしていきます。

私たちの活動が、SDGsの目標の一つである「質の高い教育をみんなに」の実践となることを願って。

relaycolumn

サステナ担当 リレーコラム

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