スノーピーク、10拠点とキャンプ場を再エネに

スノーピークは4月9日、全国10カ所の主要拠点と直営キャンプフィールドで使⽤する電⼒をCO2排出量ゼロの⾃然エネルギーに順次転換していくと発表した。使用する自然エネルギーは、みんな電力(東京・世田谷)を通じて供給され、本社や物流拠点は「三条保内発電所」(SGETグリーン発電三条合同会社、新潟県三条市)の木質バイオマス発電による電力を購入するという。(山口勉)

キャンプフィールド併設の本社「Snow Peak HEADQUARTERS」

スノーピークは新潟県三条市に本社を置くアウトドアメーカー。1980年代後半には同社の製品が火付け役となりオートキャンプブームが巻き起こった。

1996年に発売された「焚火台」は、現在でも生産が続くロングセラーで、直火を禁止されているキャンプ場でも焚火を楽しめるという、それまで無かったスタイルを生み出すなど革新的な製品づくりでも知られる。

同社は30年以上前からすべての製品を永久保証とし、⻑期的にモノを使ってもらい、「捨てる」を減らす取り組みを行ってきた。また、2011年に開業した「Snow Peak HEADQUARTERS」に太陽光発電パネル240枚を設置するなど、自然環境に配慮する経営、製品づくりを実践している。

Snow Peak HEADQUARTERSに設置された太陽光発電パネル

今回導入する⾃然エネルギーは、みんな電⼒を通じて拠点や店舗、キャンプフィールドに供給される。「Snow Peak HEADQUARTERS」および「Snow Peak Operation Core HQ2」は、三条保内発電所の⽊質バイオマス発電による電⼒を購⼊する。

みんな電力はCO2を排出しない太陽光や風力などによって発電された自然エネルギーを使用する電力会社だ。畑の農作物と一緒に太陽をシェアする発電所や、津波の被害にあった土地を活かした発電所など、日本各地の個人および法人の発電所と契約している。

それらの電気はブロックチェーンを活用した独自のシステムによって、みんな電力が契約している各発電所を指定して購入できる。

本取り組みにより、切り替えた拠点の電気由来のCO2排出量はゼロになり、持続可能なものづくりを実現していく。

直営キャンプフィールドにおいては、炊事場やシャワーでの給湯をはじめ、トイレや道路における安全確保のための照明などに使用する予定だ。

今後は同社⼯場の焚⽕台製造⼯程におけるCO2排出量をゼロにするだけでなく、外部サプライヤーへ⾃然エネルギー切り替えの協⼒も依頼していく予定だ。また物流経路の短縮を通じて、環境負荷の少ないサステナブルなサプライチェーンを追求していくという。

同社はさらに、電⼒や⾃然エネルギー、環境理解を深めるイベントなども開催することで、ユーザーをはじめ世間への認知を⾼め、環境保全を⽬指す考えだ。

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山口 勉(オルタナ副編集長)

大手IT企業や制作会社で販促・ウェブマーケティングに携わった後独立。オルタナライターを経て2021年10月から現職。2008年から3年間自転車活用を推進するNPO法人グリーンペダル(現在は解散)で事務局長/理事を務める。米国留学中に写真を学びフォトグラファーとしても活動する。 執筆記事一覧

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