日本を再発見、星野リゾートの魅力にせまる

■書評『麗し日本旅、再発見!星野リゾート10の物語』

ホテルや旅館など国内外に45施設を構え、地域の新しい魅力を創造してきた星野リゾート。このほど世界中のホテルを取材してきたホテルジャーナリスト・せきねきょうこさんが、星野リゾートの魅力を『麗し日本旅、再発見!星野リゾート10の物語』(講談社)にまとめた。同書では、せきねさんが厳選した施設のほか、同社のサステナブル(持続可能)な取り組みなども紹介している。(オルタナ編集部)

『麗し日本旅、再発見!星野リゾート10の物語』(せきねきょうこ著、講談社)(税込1980円)

「次々と誕生する『星野リゾート』の旅館やリゾートを、一人の『星野ファン』として訪れているうちに、ふと、感じたことがありました。それはまさにこの書籍のタイトル通り、いずれも『日本再発見』ができるということ。旅館やリゾートの裏に隠れた貴重なストーリーや、その地域の歴史や、継承される伝統、工芸、そして郷土食までをしっかりと宿内に取り込み、滞在する人に『気付き』を与えてくれます。それこそが旅をする醍醐味。私たちが見落としている日本の魅力や驚きや楽しみを分かち合いたいという思いを詰めました」(せきねさん)

本書は、せきねさんが厳選した「星のや軽井沢」(長野県軽井沢町)、「星のや竹富島」(沖縄県竹富町)、「リゾナーレ八ヶ岳」(山梨県北杜市)といった20施設を物語形式で紹介している。

施設の特徴、ランドスケープ、客室、料理、アクテビティといった基本情報だけではなく、なぜ星野リゾートがその地域を選んだのか、どのように地域住民と対話を進めてきたのか、どのように地域の魅力を発信してきたのか、それぞれの施設や地域の「ストーリー」に触れることができる。

ホテル事業再生で手腕を発揮してきた星野佳路・星野リゾート代表のインタビューも必読だ。このコロナ禍だからこその観光業の意義、同社が描く未来像などについても知ることができる。

日本を代表する憧れリゾートの一つである星野リゾートは、なぜこれほどまでに多くの人を惹きつけるのか。そのヒントがこの本にありそうだ。

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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