全ての人に確実なインフォームド・コンセントを(前編)

急に体調が悪くなった時に、かかりつけの病院やクリニックに行く方は多いと思います。最近は、「ご不安なことはおたずねください」との掲示や、医療従事者からも「分からないところはありますか?」などの声がけが増えてきたように思います。(NPO法人インフォメーションギャップバスター理事長=伊藤芳浩 )

患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療従事者も患者・家族の意向やさまざまな状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療従事者などが互いに情報共有し、皆で合意するプロセスである「インフォームド・コンセント」が浸透してきています。

その結果、患者はずいぶんと質問しやすくなり、情報を得やすくなりましたが、聞こえない・聞こえにくい人は、コミュニケーションに壁があり、情報入手が困難です。受診の際、ストレスを抱えたり、受診を止めてしまったりするケースさえあります。そのような現状を変えるためには、どうしたら良いのかを読者の皆さんと一緒に、2回に分けて考えていきたいと思います。

コロナ禍で確実なインフォームド・コンセントを実施するためには何が必要か
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伊藤 芳浩 (NPO法人インフォメーションギャップバスター)

特定非営利活動法人インフォメーションギャップバスター理事長。コミュニケーション・情報バリアフリー分野のエバンジェリストとして活躍中。聞こえる人と聞こえにくい人・聞こえない人をつなぐ電話リレーサービスの公共インフラ化に尽力。長年にわたる先進的な取り組みを評価され、第6回糸賀一雄記念未来賞を受賞。講演は大学、企業、市民団体など、100件以上の実績あり。著書は『マイノリティ・マーケティング――少数者が社会を変える』(ちくま新書)など。執筆記事一覧

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キーワード: #障がい

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