オルタナ式英単語術

春が近づいてまいりました。皆様つつがなくお過ごしでしょうか。

今月はコラム「伝統的な日本型CSRの精神」‟The Spirit of Traditional Japanese CSR”を読んでみましょう。近江商人の「三方よし」をはじめ、日本型CSRは今日マーケティングの領域でもとみに注目されるテーマです。

【語註】
monetary economy  貨幣経済
hierarchy   階層
supposedly  おそらく 推定では
righteousness  正義
inherently  本来
endeavour   努力
be ashamed of.  恥じる
the first and foremost  真っ先に
integrity  誠実さ、真摯さ
refrain from 控える
suppress 抑制する
compensate 補償する 
shortcoming  欠点
revaluate  再評価する
predecessor 前任者、 先人

本コラムで取り上げられている石田梅岩は「心学」で知られますが、商人の守るべき心得を教えました。石田梅岩の考える商売の本質とは、相手から信頼を得たうえで継続的な関係を構築することをベースとしています。21世紀においても日本の大手企業の経営者の多くが梅岩の説いた商人道の影響を受けています。

お客様満足が利益の源泉
Ishida Baigan said, “customers’ purse strings are inherently tight. That’s why it’s hard to get them to pay. However, if the product is of good value, inexpensive, and the service is profitable, they will definitely pay for it.” In other words, if we work in a way that satisfies our customers, we are sure to receive a profit from our endeavours. If that profit is wealth, and it is a profit born in this way, there is nothing to be ashamed of. This concept of valuing “customer satisfaction” is called the “spirit of customer satisfaction” and became a global phrase, it was also the starting point of management for companies in Japan.

【抄訳】
石田梅岩いわく「そもそもお客様の財布のひもは固いもの。それでも商品に価値があり、価格が安く、サービスがよければお客様はお金を払ってくれます。お客様に満足していただければ必ず利益をいただくことができるのです」。このようにお客様の満足を大事にする考え方は顧客満足の精神といわれ、今日大手企業の経営の起点となっています。

なお、梅岩はこうした心得をもち商売して得た利益は「欲得」ではなく「世の中のためになること」とみなしています。

ンプライアンスと正直さ
However, in order to make a profit, you must have the social responsibility that you deserve. The first and foremost requirement is to obey the law, and in addition to that, to maintain integrity. We must strive to build up trust, be diligent, and strive to be thrifty in the spirit of traditional Japanese CSR. In this way, we must suppress our own desires and acquire the ethics of a merchant in order to obtain a profit and wealth.

【訳】
しかし、利益を得るには相応しい社会的責任が必要です。第一に求められるのは法を守ることであり、そのうえで、つねに誠実であること。伝統的な日本型CSRの精神をもって信用を築き、勤勉であり倹約に努めること。このようにして欲望を抑え、商人道徳を身につけなければ、利や富を手に入れることはできないのです。

Integrityは一般に誠実さ、真摯さと訳されますが、本来の意味としては全体性、完璧性、倫理性、ブレないこと・・・等を含むので注意が必要です。

日本型CSRの発信
These are the three teachings of Ishida Baigan, and this alone is a perfect example of the “spirit of CSR” today. CSR originated in Western Europe and was later introduced to Japan where Ishida Baigan had articulated the principle of “the spirit of CSR.”  About 300 years ago, Ishida Baigan spread the ideas in Japan.

【訳】
ここまで石田梅岩が説いた教えを紹介しました。まさに今日の「CSRの精神」を見事に示すひとつの例であるといえます。CSRは西欧において起こり、のちに我が国に導入されましたが、実のところすでに石田梅岩が日本的CSRの精神を説いていました。いまから300年ほど前、彼はこうした思想を日本に広めていたのです。

When we consider the role that the “spirit of CSR” plays in compensating for the shortcomings of today’s capitalism, it means that oriental thoughts should be needed to help solve the current problems caused by capitalism. We need to revaluate Japanese culture, traditions, and the ideas of our predecessors, and try creating a unique Japanese style for CSR to communicate it to the world.

【訳】
「CSRの精神」が今日の資本主義の欠点を補正する役割をはたしていると考えるならば、石田梅岩の説く日本型CSRは現代の資本主義が引き起こす問題の解決に役立つのではないでしょうか。私たちは日本の文化や伝統、先人の思想を見直し、日本型CSRを創造し発信していく必要があります。

日本古来の風土にあうCSRといえば、たとえば「もったいない」の発想などがあげられるでしょう。日本伝統の食べものの知恵や料理を生かしてフードロス削減に取り組んでいる食品メーカーもありますね。

今回はここまでです。ではまた来月!