ユニリーバと花王、共同でボトルの回収・リサイクル

ユニリーバ・ジャパンと花王は5月18日、日用品のプラスチック容器包装の資源循環の推進に向けて協業することを発表した。6月1日から、東京都東大和市で「みんなでボトルリサイクルプロジェクト」を開始し、共同回収とともに、ボトル容器をボトル容器に再生する水平リサイクルを目指す。花王はフィルム容器でも、同様の取り組みをライオンと進めるなど、競合の制約を超え、循環型社会の構築に力を入れる。(オルタナ副編集長=吉田広子)

みんなでリサイクルプロジェクトの回収イメージ

両社が協働する背景には、単独では、容器をリサイクルする技術の確立が難しいことがあった。

メーカーによって使用しているプラスチック素材が異なることや、使用済み容器を素材別に分別回収する仕組みがないこと、プラスチックの品質劣化を防ぎながらリサイクルする技術が確立されていないことなどが、水平リサイクルの課題としてある。

そこで、東大和市の協力のもと、使用済み容器の回収・再生プログラム「みんなでボトルリサイクルプロジェクト」を実施することが決定した。同市はユニリーバ・ジャパンと連携協定を締結している。

同プロジェクトでは、東大和市内の10カ所に回収ボックスを設置し、家庭で洗浄して乾かした使用済み容器を回収する。回収した容器はリサイクル事業を担うヴェオリア・ジェネッツに運び、分別・洗浄・処理した後、ボトル容器からボトル容器への水平リサイクル技術の検証を行う。

両社は「このプログラムを通して、消費者の皆さまに参加いただきやすく、商業的にも持続可能な使用済み容器の分別回収の仕組みの検討、リサイクル技術の検証を進めるとともに、得られた知見を基に企業・業界の枠を超えて共通利用が可能な日用品の容器のガイドラインの策定に貢献していきたい」としている。

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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