中国の外食最大手、「SCM」「脱プラ」推進

KFCやピザハットなどのFC店を運営する中国レストラン最大手のヤムチャイナHDが、5月28日のオンライン株主総会で「サプライチェーンマネジメント」「脱プラ」を打ち出した。ジョーイ・ワットCEOは「バリューチェーン全体の分析能力強化」のほか、「2025年までに生分解性プラスチックの梱包重量30%削減」を強調した。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)

ヤムチャイナ ジョーイ・ワットCEO

株主総会議案は、取締役候補者10名の選任、独立監査人任命の承認、執行役員の報酬の承認などだ。

同社本部は米国テキサス州ブレイノ、 2020年売上高は7,396百万㌦(約7,900億円)、前年比93%、営業利益は961百万㌦(約1,050億円)、前年比107%である。

2020年新規出店店舗数は1,165店舗、中国1,500都市に10,506店を展開する。

中国企業で唯一の2019-21年「ブルームバーグ男女共同参画指数(GEI)」に認定され、2020年には国連WEP(女性エンパワーメント原則)賞を受賞し、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)のレストラン&レジャー施設産業部門の世界NO.1企業である。

ジョーイ・ワットCEOのスピーチ要旨は次の通り。

1.従業員ケアへのコミットメント 
ヤムチャイナは、「ピープルファースト」の哲学に取り組む。COVID-19の発生後、上級管理職、取締役会メンバー、従業員の寄付によるCOVID-19の影響を受けた従業員と家族の為の基金を設立した。

2.環境保護 
2020年12月、プラスチック製のストロー、カトラリー、パッケージを環境に優しい素材に交換することで「プラスチック削減イニシアチブ」を立ち上げた。2025年までに生分解性プラスチックの梱包重量30%削減に取り組む。

3.ストアネットワークの拡張
中国における私たちのリーダーシップは、25のロジスティクスセンター、7の統合センター、2,000台を超えるコールドチェーントラックおよびリアルタイム監視システムにより支えられている。

4.デジタル力、デリバリー力で成長を促進 
デジタル注文は、KFCとピザハットの売上高比で2019年55%から2020年80%に増加した。「農場からフォークまで」の言葉の通り、バリューチェーン全体の追跡・分析能力をさらに強くする。成長エンジンとしてのデジタル&デリバリー機能に投資を継続する。

ジョーイ・ワットCEOは「私たちのコミュニティと環境にプラスの影響を与えるため、従業員、お客様、株主、ビジネスパートナーと協力し、持続可能な長期的成長に向け、ヤムチャイナのポジショニング向上に引き続き注力する」としめっくた。 

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #SDGs#脱プラスチック

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