「午後の紅茶」 ブランド初の国内復興応援型商品

今年で発売35周年を迎える「午後の紅茶」から、ブランド初となる国内の復興応援につながる商品「午後の紅茶 for HAPPINESS 熊本県産いちごティー」が6月1日から発売される。人々のライフスタイルが多様化し、取り巻く環境は変化している。ブランドや商品の存在意義が改めて問われる変革期に、長く国民に愛される「午後の紅茶」はどのような販売戦略をとるのか。ポイントは、パーパス・ブランディングの重要性で、キーワードは「地域社会・コミュニティ」だという。(オルタナ編集委員・高馬 卓史)(PR:キリンビバレッジ株式会社)

「午後の紅茶」シニアブランドマネージャーの加藤麻里子さん

ブランド初の「国内復興応援型商品」

「今年でブランド35周年を迎える『午後の紅茶』は、10~30歳代のキリン企業好意理由1位※1を獲得しているブランドです。特に今の10歳代は、社会的関心が高まっています。ですから、『午後の紅茶』は、商品や広告を通して積極的にCSV※2活動に取り組むことで、ブランドイメージ向上のみならず、キリングループ全体の企業イメージ向上にもつながっている存在です」――こう語るのは、同商品のブランド責任者を務める加藤麻里子さん(キリンビバレッジ・マーケティング部ブランド担当 担当部長シニアブランドマネージャー)。
※1 2020年キリンホールディングス株式会社調べ
※2 Creating Shared Valueの略。お客様や社会と共有できる価値の創造

なかでも今年6月より発売される「午後の紅茶 for HAPPINESS 熊本県産いちごティー」は、「午後の紅茶」ブランドとしては初の国内復興応援型商品で、売上の一部が寄付になる。応援先は2016年の大地震で被害にあった熊本県。1本につき3.9円(感謝=サンキュー)を同県の復興応援のために活用し、地域社会・コミュニティの支援に取り組む。

これはブランド発売35周年のテーマ「幸せの紅茶、35周年の午後の紅茶~あなたに、届け!ありがとう。~」の活動のひとつとして、日々の心ときめく幸せに寄り添う活動とともに、商品と連動した復興応援を通じて顧客への感謝の念を体現した取り組みでもある。

パッケージは全4種類、1本に付き3.9円が寄付になるブランド初の国内復興応援型商品

納得性があり共感を呼ぶ支援に

加藤さんは熊本県を支援先に選んだ経緯について、「支援は実態が伴っていない見せかけのものではなく、お客様が納得し共感するものでなければなりません。そこで、2016年から始動している熊本県への『復興応援 キリン絆プロジェクト』で積み重ねてきた支援の一環として、同県を選びました。ブランドを通じてなぜそこを支援するのかという意義も非常に重要だからです」と語る。

支援金は、「復興応援 キリン絆プロジェクト」の方針に則り、①「被災地復興支援」として熊本県庁に寄付金を贈呈する、②「食産業支援」として熊本の農産物のブランディングに活用する(JA熊本経済連へ寄付)、③「地域活性化」として、南阿蘇鉄道の復旧、ブランディング支援に活用する(南阿蘇村に寄付)、④「子どもの笑顔づくり支援」として、南阿蘇村での子どもたちの交流、教育環境の整備に活用する(同村へ寄付)――としている。

今回、新商品の原料に使われる熊本県産のいちご「ゆうべに」という品種は、「復興応援 キリン絆プロジェクト」でブランディングを支援しているものだ。「ゆうべに」は粒も大きく、豊かな香りと上品な甘さと程よい酸味のバランスが特長だ。また、渋みが少なくすっきりと優しい飲み口の熊本県産紅茶葉も一部使用※3する。
※3:熊本県産5%

商品を通して社会課題を解決するCSVの要素はブランドの核になると語る      

南阿蘇村にとって信頼できるパートナー

なかでも力を入れているのが、「地域活性化」の貢献としての南阿蘇村への支援だ。実は、「午後の紅茶」と同村には深い繋がりがある。2016年~2018年までに南阿蘇鉄道の駅や同村の白川水源を舞台にした「午後の紅茶」のCMが大きな反響を呼び、同村は観光地として日本全国の注目を浴びた。同村農政課の山村隆文さんは「CMの舞台となった南阿蘇鉄道の見晴台駅に多くの観光客が訪れ、南阿蘇村のイメージアップにつながった」と語る。

そんな関係の深い「午後の紅茶」のプロジェクトに、同村教育委員会 社会教育係の工藤眞巳さんは「いまや行政も企業との連携が必ず必要な時代。キリンさんには5年後、10年後も継続的に輪が広がるような支援活動をしていただいているので、今後は次世代に繋がるような形になればいい」と期待を込める。

また、山村さんは、「キリンさんのスタッフの方々には、たびたび足を運んでいただき、南阿蘇村の歴史や文化にまで踏み込んで、村に必要なものとは何かを一緒に考えていただいた。いまやキリンさんは末長く付き合える信頼できるパートナーです」と語る。

キリンの社員ボランティアなどが参加した熊本県南阿蘇村での清掃活動

また、この新商品の発売と連動して「午後ティーHAPPINESSプロジェクト」を立ち上げ、今後も「for HAPPINESS」シリーズとして支援先素材を原料として使用した寄付型商品を毎年発売し、継続して国内復興応援を行うという。

取材は東京と熊本をオンラインでつなぎ行った

「地域社会・コミュニティ」への貢献を実現

一方、キリングループでは今後を見据えてCSV経営を軸に置き、「午後の紅茶」ブランドとしてのCSV活動に力を入れていく方針だ。加藤さんは「キリングループが掲げるCSV経営の柱は健康、環境、地域社会・コミュニティで、『午後の紅茶』はこの3つの柱すべてに取り組んでいくブランドです」という。

実際、「健康」では、微糖・無糖の商品を販売し「摂りすぎない健康」を強化。「環境」ではスリランカの紅茶農園のレインフォレスト・アライアンス(RA)認証※4取得支援とFSC認証紙※5の継続使用。そして、この「午後の紅茶 for HAPPINESS」並びに「午後ティーHAPPINESSプロジェクト」は「支援先の素材を使用」、「商品を通じた寄付」、「プロジェクト化し継続した地域活動」の3つが揃うキリンビバレッジでは初めての取り組みとして「地域社会・コミュニティ」への貢献を実現している。
※4 持続可能性の3つの柱(社会・経済・環境)の強化につながる手法を用いて生産されたものであることを意味する認証
※5 適正に管理された森林から産出した木材によって製造された紙を意味する認証

地域・コミュニティへの貢献を目指す「午後ティーHAPPINESSプロジェクト」

加藤さんは「『いつでもお客様に幸せなときめきを届ける』のが、『午後の紅茶』のブランド・パーパス(ブランドの社会的存在意義)です。そのブランディングとして、美味しさはもちろんですが、国産素材を使った特別感や安心感、自分の買った商品が社会貢献につながる実感といった『幸せなときめき』を、お客様に提供できればと考えています」と語る。

とはいえ、人々のライフスタイルは多様化し、取り巻く環境は変化している。飲料水の存在意義が改めて問われる中で、このブランドをどのように展開していくのか。

加藤さんは「近い将来、日本で一番愛される清涼飲料水ブランドになることを目指します。また発売50年目も100年目も日本で一番愛される清涼飲料水であれば嬉しい。そのためにも、いまや企業やブランドの存続に欠かすことのできないCSV活動とパーパス・ブランディングを実践し、老若男女を問わず多くのお客様からの共感を獲得し、愛されるブランドであり続けたい」と抱負を語った。

商品について
キリン 午後の紅茶 for HAPPINESS 熊本県産いちごティー 154円(税込)
発売日:2021年6月1日(火)

■詳細についてはこちら
http://gogo-tea-forhappiness.jp/

kouma

高馬 卓史

1964年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。総合情報誌『選択』編集長を経て、独立。現在は、CSR、ソーシャルビジネス、コミュニティ・デザインなどをフォロー中。執筆記事一覧

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