今さら聞けないサステナビリティ重要単語:強制労働

国際労働機関(ILO)は、強制労働をこう定義しています。「ある者が処罰の脅威の下に強要され、かつ、自ら任意に申し出たものではない一切の労務」。ここでいう「処罰」とは、監禁や暴力のことを指し、「脅威」とは被害者の家族に危害を加えることなどを意味しています。(オルタナS編集長=池田 真隆)

特に、債務労働に従事する多くの労働者が強制労働に陥ってしまうことは少なくありません。借金を返済するため、監禁状態で働かざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。

ILOでは、こうした強制労働を強いられている人の数は、世界中で約2100万人に及ぶと推計しています。そして、このうちの8割は民間の仲介業者によって、犠牲になっていると報告しています。

SDGsの目標8では2030年までに強制労働を撤廃することを目標に掲げており、様々な国際イニシアチブでも強制労働の撤廃を目指した取り組みがあります。

例えば、1999年の世界経済フォーラムで故コフィ―・アナンが提唱した「国連グローバル・コンパクト」では、企業や団体向けの指導指針を4原則(人権・労働・環境・腐敗防止)10分野でまとめていますが、強制労働の撤廃も入っています。

企業は雇用を生み出す重要な役割がありますが、その一方で悪質な雇用を生み出す企業への反発の声は拡大しています。CSRの意識を変えた事例として有名なのがナイキによる強制労働/児童労働です。

97年にナイキが委託するインドネシアやベトナムの工場で発覚したのですが、NGOがネガティブキャンペーンを展開して、世界で不買運動が起きました。

人権リスクは年々高まっており、企業はサプライチェーンの委託先企業や原料の調達先も含めて、人権デューデリジェンスをしっかりと実施することが求められています。