容器包装ゼロ革命③マイ容器が使える店舗マップ

日本の家庭から出るゴミの63.2%は容器包装だ(2020年環境省調べ)。フランス、ドイツなど欧州では量り売りが浸透しているが、日本ではまだ少ない。それでもカフェ・ド・クリエのように「マイ容器」で買い物できる店が出始めている。グリーンピース・ジャパンはこうした店をマップ化し、スマホやパソコンで検索できるようにした。カフェ、コンビニ、食品店など全国で1000店以上を掲載している。(パリ編集委員 羽生のり子)

ウェブマップ「グッバイ・ウェイスト」の画面(c)Greenpeace Japan

ビーガン商品、ベジタリアン商品ありの表示も

グリーンピース・ジャパンが発表したウェブマップ「グッバイ・ウェイスト」には、使い捨ての容器包装なしで買い物ができるカフェやコンビニ、食料品店が載っている。店のマークをクリックすると「容器持参で買える」「量り売りで買える」「リユース容器の貸し出しあり」など、店の対応がわかる。

「ビーガン商品あり」「ベジタリアン商品あり」といった表記まで含むのは、マップ作成時にボランティアメンバーから「あるとうれしい」という声が多かったからだ。食肉となる家畜から出る温室効果ガス排出量は、野菜や果物の生産に比べケタ違いに多い。英オックスフォード・マーティン・スクールは2016年、「世界中でベジタリアン食を実行すれば、食物由来の温暖効果ガスの3分の2を削減できる」という研究を発表した。環境に関心のある人々にとって容器持参とビーガン、ベジタリアン食は、ともに環境を改善する解決策だ。

グリーンピースが今年5月に実施した全国1000人対象の調査では、使い捨ての容器包装に否定的な考えの人は41.2%。その理由の1位は「もったいないから」で68.7%だった。「地球環境に良くないから」も51.5%と半数以上で、消費者が資源の無駄と同じく、地球環境の悪化にも憂慮していることが明らかだ。

グッバイ・ウェイストに掲載されたカフェには、カフェ・ド・クリエ、上島珈琲店、エクセルシオールカフェなどチェーン店が目立つ。これらの店では使い捨て容器を店内で使用するが、表示に「マイタンブラー持参可能」とあれば、店内消費でも持参の容器に入れてもらうことができる。

掲載店は首都圏に集中しているものの、「自分たちが知らないだけでゼロウェイスト(ごみゼロ)の店は地方に広がっているかもしれない。このマップでそれを可視化できれば」とグリーンピースは期待している。

hanyu

羽生 のり子(在パリ編集委員)

1991年から在仏。早稲田大学第一文学部仏文卒。立教大学文学研究科博士課程前期終了。パリ第13大学植物療法大学免状。翻訳業を経て2000年頃から記者業を開始。専門分野は環境問題、エコロジー、食、農業、美術、文化。日本農業新聞元パリ特約通信員、聴こえの雑誌「オーディオインフォ」日本版元編集長。ドイツ発祥のルナヨガ®インストラクター兼教師養成コース担当。共著に「新型コロナ 19氏の意見」(農文協)。執筆記事一覧

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