キリングループは同社が設定している意欲的な環境目標を2030年に達成した場合、約53億円の節税になると発表した。このほど公開した2021年の環境報告書で明らかにした。日本の飲料メーカーとして、いち早くSBTやTCFD、RE100などの国際イニシアティブに加わってきた。(オルタナS編集長=池田 真隆)
同社ではCSV(共通価値の創造)を事業運営の根幹に据えており、「環境」を重点分野の一つに挙げている。今回の報告書では二酸化炭素の排出量に応じて課税するカーボンプライシングの影響についても試算した。
同社は2020年、パリ協定に整合した目標「SBT 1.5度」の認証を取得した。カーボンプライシングの試算では、2030年にこの目標を達成した場合と、温室効果ガスを削減しなかった場合を比べた。その結果、1.5度目標を達成した場合、最低でも約53億円の節税になると試算した。
炭素価格の予想の根拠は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の1.5℃特別報告書やIEAシナリオを参考にした。