50周年を迎えた日本マクドナルドのSDGs

日本マクドナルドは7月20日、日本第1号店(東京・銀座店)のオープンから50周年を迎えた。同社は、水産物や容器包材などの持続可能な調達のほか、食品ロスの削減、ハッピーセットのおもちゃのリサイクルプロジェクトなど、さまざまなSDGs(持続可能な開発目標)に関する取り組みを進めている。(オルタナ副編集長=吉田広子)

日本マクドナルドは1971年7月20日、日本第1号店として銀座店をオープン。現在、国内に約2900店舗を構え、社員約2200人のほか、全国で約17万人のクルーが働いている。2020年12月期の全店売上高は過去最高の5892億円に上った。

2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標であるSDGsのうち、日本マクドナルドは次の6つの目標に優先的に取り組むとしている。

目標2「飢餓をゼロに」
目標8「働きがいも経済成長も」
目標12「つくる責任つかう責任」
目標13「気候変動に具体的な対策を」
目標15「陸の豊かさを守ろう」
目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

フィレオフィッシュに「海のエコラベル」

MSC認証のロゴマークを付けたフィレオフィッシュ

SDGsに貢献する取り組みの1つとして、代表的なのが「フィレオフィッシュ」だ。日本マクドナルドは、「海のエコラベル」と呼ばれるMSC認証を取得し、持続可能で環境に配慮した漁業で獲られた天然のアラスカ産スケソウダラを「フィレオフィッシュ」に使用。2019年11月からMSC認証のロゴマークを付けたフィレオフィッシュを販売している。

このほか、「レインフォレスト・アライアンス認証」を取得した農園で栽培されたコーヒー豆、森林環境に配慮して作られた「FSC認証」済みの資材、熱帯雨林や生物多様性、人々に悪影響を及ぼさないことに配慮して生産されたことを示す「RSPO認証」を取得したパーム油をフライオイルとして使用する。

「作り置き」せずに食品ロスを削減

同社は、食べられるのに捨てられてしまう「食品(フード)ロス」の削減にも力を入れている。

2005年から、作り置きせずに、注文を受けてから作り始めるオーダーメイド式キッチンシステム「メイド・フォー・ユー」を導入。2017年には「食品産業もったいない大賞 農林水産省食料産業局長賞」を受賞した。

2001年には、完成品の廃棄が売り上げ100万円あたり9.9kgだったのが、2020年には同2.9kgまで減少したという。

ごみにしない、ハッピーセットのおもちゃ作り

ハッピーセットのおもちゃのリサイクルも進める。日本マクドナルドは2018年、年間約1億食のハッピーセットを販売している企業の責任として、「おもちゃリサイクルプロジェクト」を開始した。全世界のマクドナルドでも初めての試みで、プラスチックのおもちゃを対象にしたリサイクルとして国内最大規模になるという。回収したおもちゃは、食事を置くトレイなどに再利用される。

2020年は子どもたちの長期休みに合わせて実施し、約270万個のおもちゃを回収した。2021年からは通年で回収することになり、おもちゃの回収ボックスを全店舗に順次設置していく。この回収ボックスは、おもちゃリサイクルプロジェクトで回収されたおもちゃからできたリサイクル樹脂を10%程度含む。

さらに、ハッピーセットのおもちゃそのものの開発方針を見直した。遊びや体験を通じて子どもの成長に寄与することを目指し、本と図鑑をセットにした「ほんのハッピーセット」をラインナップに加えた。

日本マクドナルドコミュニケーション&CR本部CSR部の岩井正人マネージャーは、「マクドナルドでお食事をしていただくことが環境・社会問題に貢献していることになる。環境・社会+経済に、FUN(楽しさ)が加わるのがマクドナルドらしいサステナビリティ。これからもサプライチェーンを含めて、笑顔をつないでいきたい」と語った。

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

執筆記事一覧

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..