複数のサステナブル投資組織からなるグローバル・サステナブル・インベストメント・アライアンス(GSIA)はこのほど、2020年版の報告書を公開した。2020年のサステナブル投資の運用総額は35.3兆米ドルで、2018年から2020年までの2年間で15%増えた。国別の増加率では、カナダが48%増で最も高く、次いで米国(42%増)、日本(38%増)、オーストラリア(25%増)という結果だった。(オルタナS編集長=池田 真隆)
GSIAの報告書では、米国、カナダ、日本、オーストラリア、欧州の市場におけるサステナブル投資について調査した。2020年版で第5弾となる。2020年当初の世界のサステナブル投資の運用総額は35.3兆米ドルに達した。2018年から2020年の2年間で15%増えた。
調査した5地域での、金融機関などが運用する資産全体のうちサステナブル投資が占める割合は35.9%だった。2018年の33.4%から微増した。国別で見ると、最大の増加率はカナダ(48%増)、米国(42%増)、日本(38%増)、オーストラリア(25%増)と続いた。欧州は13%減という結果だったが、これは欧州での測定方法が変わったことが要因だ。
欧州連合は2018年に策定した「サステナブル・ファイナンス・アクション・プラン」によって、サステナブル投資の定義を変えた。今回の調査では、新しい定義をもとに測定している。
各地域の総投資額に占めるサステナブル投資の割合では、カナダが最も高く62%だった。その次は、欧州(42%)、オーストラリア(38%)、米国(33%)、日本(24%)だった。
■「サステナブル投資」の定義、地域によって差が
サステナブル投資とは、ポートフォリオでの選択と管理において、環境・社会・ガバナンス(ESG)を考慮した投資手法を指す。意味や使われ方は、地域によって差がある。