「オリンピックは寄付で始まった」と聞くと違和感があるだろうか。世界のオリンピックの第一回開催(1896年のアテネ)が決まった当時、ギリシャ政府も財政難で開催準備の費用がどうしても確保できなかったところを、ある一人の富豪が開催準備予算の半分近くを寄付したことで一気に開催に向けて進んだという有名な話がある。(日本ファンドレイジング協会代表理事=鵜尾 雅隆)

そうやって「第一回」を成功させたからこそ、Tokyo2020につながるオリパラの伝統が生まれたともいえる。日本も同じようなエピソードを持っている。日本が初参加したのは1912年ストックホルム大会。この時も大会への代表選手派遣は決まったものの、海外渡航に莫大な経費がかかる時代、スポーツ大会参加に国家予算をあてる合意は得られず、寄付を募ってなんとか選手たちは参加した。

寄付には、こうした、「まだ世の中が必要性について共通理解にできていない第一歩」のイノベーションや挑戦を実現する力があるという事例をオリパラは示してくれている。