サラヤ×ABC「キッチンで始まるSDGsの第一歩」

■サラヤ×ABCクッキングスタジオ

「誰一人取り残さない」というスローガンのもと、2030年までの目標を定めたSDGs(持続可能な開発目標)。ABC Cooking Studio(東京・千代田)は、フード(食品)ロス削減をはじめ、環境に配慮した製品の導入など、SDGsに貢献する取り組みを展開している。そのパートナーの1社がサラヤ(大阪市)だ。志村なるみ・ABC Cooking StudioCEOと更家悠介・サラヤ社長が対談した。

更家悠介・サラヤ社長(左)と志村なるみ・ABC Cooking Studio CEO(撮影・川畑 嘉文)
更家悠介・サラヤ社長(左)と志村なるみ・ABC Cooking Studio CEO(撮影・川畑嘉文)

─ABCクッキングスタジオは「キッチンから世界を変える」をコンセプトに、SDGsの取り組みを進めています。クッキングスタジオでは、以前からサラヤの「ヤシノミ洗剤」を使われているそうですね。

志村:日常的に食器用洗剤を使いますので、手肌に優しく、できれば環境に悪影響を与えないものを探していました。20年ほど前に出合ったのが、ヤシノミ洗剤です。

ヤシノミ洗剤のコンセプトを深く知ることでスタジオに置く意義があると考えました。今ではインストラクターや多くの生徒の皆さまが、ヤシノミ洗剤を通じて環境に貢献できると感じており、ABCブランドのイメージアップにもつながりました。

さらに、6年前から手指消毒用アルコールや道具消毒のスプレーも積極的に使用しておりましたので、コロナ禍でも安心感があったと思います。

更家:ABCクッキングスタジオで20年も使っていただいているということで、私たちも自慢できます。

ヤシノミ洗剤は、ちょうど50年前の1971年に発売されました。石油系洗剤による河川や湖沼の汚染が社会問題となっていたころです。生分解性が高く、手肌に優しい植物系洗剤の先駆けとして、ヤシノミ洗剤が誕生しました。

2004年からは、洗剤の原料となるパーム油の生産地であるボルネオで、生物多様性保全プロジェクトを続けています。ヤシノミ洗剤の売り上げの1%が活動に使われるので、洗剤を使っていただくことが、熱帯雨林や野生生物を守ることにつながります。

環境に配慮して製造されたサラヤ製品。ボルネオの保全にもつながる(撮影・川畑嘉文)
環境に配慮して製造されたサラヤ製品。ボルネオの保全にもつながる(撮影・川畑嘉文)

ヤシノミ洗剤でボルネオ守る

─ABCスタッフも、ボルネオに行かれたそうですね。

志村:2010年に、インストラクター2名がボルネオ視察に参加させていただきました。普段使っている洗剤がボルネオの自然と密接にかかわっていることを実感したようです。とても感動していました。それから毎年、視察に同行させていただいています。

更家:あるテレビ番組が2004年に、パーム油のプランテーション開発について放送したことをきっかけに、私たちのボルネオ保全活動はスタートしました。

サラヤが使用しているパーム油の量はわずかですが、企業の責任として、環境保全に取り組み、野生生物を保護することを決めたのです。

2006年に現地の野生生物局と生物学者らとともに環境保全団体「ボルネオ保全トラスト」を立ち上げました。こうした問題を消費者にも知ってもらい、行動するきっかけにするために、2007年からヤシノミ洗剤をはじめとした商品の売り上げの1%が寄付になる仕組みも構築しました。

志村:本当に素晴らしい活動ですね。私たちも、ヤシノミ洗剤を使うことで、貢献できていることがうれしいです。

─まさにSDGsの目標12の「つくる責任」と「つかう責任」ですね。

志村:当社は国内約100カ所で展開しています。アクティブ会員27万人、入会金不要の「1dayレッスン」会員約50万人の方にご利用いただいており、その影響力は大きいと思っています。

レッスンを通して「つかう責任」について伝えていくことも、私たちの事業の一環です。

更家:「つくる責任」と「つかう責任」は、対になっています。これを一緒に取り組むことによって、持続可能な社会が実現できると思います。

食品ロス削減へ、WFPとも連携

ABCは国連WFPとも協働し、食の問題に関する啓発を行う ©WFP/Ratanak-Leng
ABCは国連WFPとも協働し、食の問題に関する啓発を行う ©WFP/Ratanak-Leng

─事業を通じて社会課題を解決していくという姿勢が両社に共通しています。

志村:ABCクッキングスタジオは1985年の創業以来、「世界中に笑顔のあふれる食卓を」を企業理念に掲げて事業を展開してきました。

自分のために料理を作るということも大事ですが、それ以上に大切な人の健康を管理したいと思う人が多いです。最近では、食に携わる時間が長いほど、幸せを感じやすいという調査結果もあります。

2021年6月には、日本で初めて国連世界食糧計画(国連WFP)と広報パートナーシップ契約を締結しました。国連WFPは世界最大の人道支援機関なので、そこから指名を受けたことでスタッフの意識も大きく変わりました。国連WFPは、食糧が行き届かない人たちに、お水を届けたり、食糧を運んだりしています。

まずはこうした国連WFPの活動を日本の皆さんに知ってもらいたいです。

飢餓問題が深刻化する一方で、世界では年間13億トンの食品が廃棄されています。

家庭でのフードロスには、食材の買いすぎで腐らせてしまう「直接破棄」や、調理時における皮や芯などの「過剰除去」、作りすぎによる「食べ残し」などがあります。日本のフードロスを削減できなければ、ABCクッキングスタジオの努力が足りない、それぐらいの使命感を持っています。

こうした食の不均衡問題について考えてもらうきっかけとして、食材を丸ごと使い切る「国連WFP共同企画 食品ロス削減1dayレッスン」も実施しています。栄養化の高いキャベツの芯までおいしく無駄なく調理し、5品も作って廃棄量はたったの18グラムだけ、というレッスンが好評です。

「少しの知識」と「少しの技術」があれば、フードロスを大幅に削減できると思っています。

更家:どのような場所で食材が生産されたのか、だれが料理を作ってくれたのか、だれのために作っているのか─。こうしたことに思いを馳せることは、ボルネオの取り組みにも通じます。

私どもは衛生・環境・健康という切り口で、事業を展開しています。御社の活動とも重なる部分がありますので、協働しながら持続可能な社会づくりに貢献していきたいと思っています。

(PR)(オルタナ66号から転載)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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