ブリタ 市民・企業・NPOでマイボトル推進へ

ドイツ生まれの家庭用浄水器メーカーブリタジャパンと京都府亀岡市は10月1日、無料給水アプリ「mymizu(マイミズ)」を活用し、亀岡市でペットボトルを削減する取り組み「BRITA Japan×mymizuチャレンジin亀岡」を開始した。市民参加型でmymizuチャレンジを実施するのは、全国で初めての試みだ。

ブリタジャパンは亀岡市に「タンク型浄水器 フロー」を寄贈した

「『環境先進都市』を掲げる亀岡市は、2030年までにプラスチックごみをなくすことを目指している。全国に先駆けて、まずは身近なプラスチック製レジ袋の配布を禁止することから始めた。次の段階としてペットボトル削減に向けた施策を進めていく」(桂川孝裕・亀岡市長)

亀岡市では2021年1月1日、プラ製レジ袋の提供禁止に関する条例を施行した。実施から半年以上経過したが、同市によれば、98%がレジ袋をもらわず、エコバッグを持参しているという。

桂川市長は「市民自ら環境に配慮した取り組みを推進してくれて、格段にレジ袋が減った。レジ袋が環境に与える影響について、対話を進めてきたことが、成果につながったようだ」と評価する。

桂川孝裕・亀岡市長(右上)、ブリタジャパンのマイケル・マギー社長(左下)、Social Innovation Japanのマクティアマリコ代表理事

亀岡市は使い捨てプラスチックの使用削減に向けて、マイボトルの普及促進や給水スポットづくりにも取り組む。

市内の飲食店や民間施設に協力を呼びかけ、市内50カ所以上に「亀岡のおいしい水」(水道水)の無料給水スポットを設置した。

こうした活動のパートナーが、ブリタジャパンと、「mymizu」を運営する一般社団法人Social Innovation Japan(東京・渋谷)だ。亀岡市は2020年6月、マイボトル普及促進に向けてブリタジャパンと包括連携協定を締結。2021年4月には、Social Innovation Japanと「かめおか未来づくり環境パートナーシップ協定」を結んだ。

ブリタジャパンは、市内の高校で環境教育を実施したほか、小学校・義務教育学校に「ボトル型浄水器 アクティブ」800本、給水スポット普及拡大に向けて「タンク型浄水器 フロー」50個を寄贈した。

ボトルの削減量、アプリで可視化

10月から始まる「BRITAJapan×mymizuチャレンジin亀岡」は、3者の協働プロジェクトだ。亀岡市民が楽しみながらペットボトルを削減できる取り組みとして企画された。参加者先着800人に、ブリタのボトル型浄水器をプレゼントする。

「mymizuチャレンジ」には、個人でもチームでも参加できる。マイボトルで給水するたびにmymizuアプリに記録し、どのくらいペットボトルを削減できたかを競い合う。CO2削減量も可視化される。

登録者一人あたりのペットボトル平均削減量が最も多かった個人またはチームに、ボトル型浄水器の交換用マイクロディスクカートリッジ6カ月分が景品として提供される。

具体的な行動で、具体的な成果を

「BRITA Japan×mymizuチャレンジin亀岡」では1000人規模の参加を見込む

ブリタジャパンのマイケル・マギー社長は「共通の思いを持つ組織と連携して『mymizuチャレンジ』を開催できることを嬉しく思う。サステナブルな社会の実現は、単独では成し得ず、協働して取り組む『コレクティブインパクト』が重要だ。亀岡市民と一緒に活動できることは、私たちにとっても大きな意義がある」と語る。

「『mymizuチャレンジ』は、海洋プラごみを減らし、海洋生物へのダメージを回避する、具体的なアクションと具体的な成果につながるもの。より多くの人が使い捨てプラ問題を再認識して取り組んでくれることを期待したい」(マギー社長)

「mymizu」は、無料の給水スポットを簡単に探せる日本初の給水アプリ。ユーザーが給水スポットを登録できる参加型のサービスだ。世界に約20万カ所、日本で約1万カ所登録されている。

Social Innovation Japanのマクティアマリコ代表理事は、「日本では、蛇口さえひねればおいしい水を飲めるが、年間240億本以上のペットボトルが使い捨てされている。社会全体を動かしていく必要がある」と危機感を示す。

「環境先進都市の亀岡市を舞台に、サステナビリティーの先進企業ブリタジャパンと協働し、初めて市民参加型のmymizuチャレンジを実施できることになった。マイボトルを持つことは、だれにでもできること。亀岡市民と協力して、この先進的な取り組みを全国に周知していきたい」と意気込みを語った。

プロジェクト開始に先駆けて、9月18日にはオンライントークセッション「みんなでSDGsを実現しよう!」を開催。ブリタジャパンなど3者に加え、特定非営利活動法人プロジェクト保津川の原田禎夫代表理事と京都府立南丹高等学校の生徒らを招き、「未来のまちづくり」や「無駄を出さないまちづくり」について語った。

■WWFとのコラボ製品、今年も登場

「ボトル型浄水器アクティブ WWFジャパン コラボボトルカバー付き」

ブリタジャパンは2021年6月、公益財団法人世界自然保護基金(WWF)ジャパン(東京都港区)と協働し、コラボ商品「ボトル型浄水器アクティブ WWFジャパン コラボボトルカバー付き」を数量限定で発売した。2020年に続き、2年目となる。

「WWFジャパン コラボ ボトルカバー」には「SAVE THE OCEAN」というメッセージとともに、イルカ、ジェンツーペンギン、タテゴトアザラシの写真を採用した。これらの写真は、動物写真家・岩合光昭氏の作品だ。

本コラボ製品が1個購入されるごとに、ブリタジャパンが100円をWWFジャパンに寄付する。

(PR)(オルタナ66号から転載)

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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