英製薬大手のアストラゼネカは10月20日、世界の自社事業所からの温室効果ガスの排出を2025年までにゼロに、2030年までにバリューチェーン全体でカーボンネガティブを目指す「アンビション・ゼロカーボン」目標を発表した。最近、企業による脱炭素宣言が相次ぐが、「2025年目標」は突出している。(オルタナ副編集長=山口勉)

アストラゼネカ米原工場

同英国本社のジェイソン・スネイプ・サステナビリティ・環境保全分野グローバル責任者は「2025年までに事業所全体でゼロカーボンを目指し、2030年までにバリューチェーン全体でカーボンネガティブを達成する。このため10億ドル以上を投資し、気候変動に対する取り組みを10年以上早める」と力を込めた。

同社は2020年に日本の事業所で消費する電力で、「J-クレジット制度」※を使った100%再生可能エネルギー化を達成した。

※J-クレジット制度とは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用による温室効果ガスの排出削減量や、適切な森林管理による吸収量を「クレジット」として国が認証し、売買を認める制度のこと

2021年には東京・芝浦の新東京オフィスで、より「産地の見える」電気の調達に取り組み、新潟県の水力発電所から実質100%再生可能エネルギーによる電気の利用を開始した。

2022年には滋賀県の米原工場の敷地内にソーラーパネルを設置する計画だ。春から稼働し、工場使用電気の20%を自家発電で賄う。

同社のCO2削減プロセスは、2025年時点ではスコープ1(自社における燃料の燃焼)と2(自社における電気の使用)が対象だ。

2030年ではスコープ3(サプライチェーン)も含めた削減を目指す。2030年のカーボンネガティブを達成しきれない分は植林活動などで補う。

全国に67ヶ所あった営業拠点も2021年4月に全て廃止し、MR(医療情報担当者)らの社員はフルリモート勤務へ移行した。現在1800台ある営業車も2025年には全車電気自動車に切り替える予定だ。また公共交通機関の活用などで営業車自体も減らしていく。