元気な若者たちがエコなビジネスの立ち上げを応援

■小林光のエコめがね(11)■

本欄に今年3月に掲載したDo!Nutsの運動がいよいよ定常運転に入った。その多彩な活動振りは、ウェブサイトを参照いただきたいが、ここでは、若者たちが「アンバサダー」に任命され、そしてエコな製品・サービスでビジネスをしたい企業とコラボしているところを紹介したい。

Do!Nutsののウェブサイト
Do!Nutsののウェブサイト

若者アンバサダーとは、この運動の公募に応え、さらに厳しい審査を経て任命された元気なZ世代の15人(10月28日現在)だ。女性の方が若干多く、ほぼ全員がバイリンガル。学生、社会人は半々で得意分野は極めて広い。

そして、環境問題に関する精度の高い講義を任命以来たくさん受けてきた。自らブログを持ち、どしどし発信する、いわば環境インフルエンサーが登場したのである。

これら若者たちの知識インプットはほぼほぼ終わり、いよいよZ世代の感性を生かし、具体のゼロエミッション課題への挑戦が始まった。
課題を解いていくプロセスは図のとおりだ。

若者アンバサダーが、まずは、企業の持つシードやニーズを聞き出し、世間の知恵や熱意を引き出すための切り口などを発見し、その上で、広く世間に知恵を求めるといったプロセスに入る。これらを通じて、世間が応援したくなるような製品やサービスを作り出していくのである。

今回の課題は、サステナブルな食品である。お題を出したのは「フード・アップ・アイランド」という、食品業界の8社に働く有志社員の集まりである。紙面の都合で一々の名前は挙げないが、誰でも知っている有名会社揃いである。こうした競争各社が、非競争領域で知恵を出すというかなり面白いコラボである。

世間に向けた知恵の募集も始まるようだ。関心がある向きは前述のURLを訪れていただきたい。ユニークな商品を支える新たなエコシステムの組成に、あなたも立ち会えるに違いない。

hikaru

小林 光(東大先端科学技術研究センター研究顧問)

1949年、東京生まれ。73年、慶應義塾大学経済学部を卒業し、環境庁入庁。環境管理局長、地球環境局長、事務次官を歴任し、2011年退官。以降、慶應SFCや東大駒場、米国ノースセントラル・カレッジなどで教鞭を執る。社会人として、東大都市工学科修了、工学博士。上場企業の社外取締役やエコ賃貸施主として経営にも携わる

執筆記事一覧
キーワード: #SDGs

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..