アサヒGHD、社会課題解決に貢献する新会社を立ち上げ

アサヒグループホールディングスは12月3日、新会社「アサヒユウアス」の設立を発表した。同社は22年1月に事業を開始。木質繊維を使ったカップ「森のタンブラー」の製造・販売をはじめとするサステナブル事業を通して、プラスチックごみ削減などの社会課題解決への貢献を目指す。(オルタナ編集部・長濱慎)


「アサヒユウアス」代表取締役に就任する高森志文・理事(左)と、「森のタンブラー」を開発した古原徹・事業企画部シニアマネジャー
 

■自治体や企業との「共創」でプラごみ削減やフードロスの解消を目指す

アサヒユウアスは「Youと Usで共創」 「Youと明日を共創」に由来する社名の通り、地域のさまざまなステークホルダーとの「共創」を活動の柱とする。

「森のタンブラー」は、木質繊維を55%使ったカップだ。愛知・豊田市と神奈川・秦野市では地域の間伐材を活用して製品を作り、イベントでの使い捨てプラスチックカップ削減に貢献した。他地域の自治体や企業の関心も高く、21年は4万個(見込み)、22年は10万個の販売を目指す。

他には丸繁製菓と共同開発した、国産ジャガイモでん粉を使った「もぐカップ」(食べられるカップ)、サステナブルブランド「ECOALF(エコアルフ)」と共創したクラフトビールの販売も行う。クラフトビールは、廃棄コーヒー豆を原料に利用した「蔵前ブラック」と、廃棄されるパンの耳を利用した「蔵前ホワイト」の2種類がある。

アサヒユウアスは、これらの販売を事業の最終目的とするのではなく、地域社会の課題解決やサステナブルな社会を実現するための「手段」に位置付けるという。

22年1月に同社の代表取締役に就任する、高森志文(しふみ)日本統括本部・事業企画部理事は、以下のように意気込みを語った。

「社会課題の解決そのものを事業にしたい。大量生産・大量販売のビジネスとは一線を画し、パーソナライズやローカライズへの対応をはじめ、これまでは見過ごされがちだった小さな取り組みにも対応し、共創によって地域の課題を解決していきたい」

アサヒユウアスは、12月8日〜10日開催の「エコプロ2021」(東京ビッグサイト東ホール)に出展。製品の展示や取り組みの紹介を行う予定だ。

S.Nagahama

長濱 慎(オルタナ副編集長)

都市ガス業界のPR誌で約10年、メイン記者として活動。2022年オルタナ編集部に。環境、エネルギー、人権、SDGsなど、取材ジャンルを広げてサステナブルな社会の実現に向けた情報発信を行う。プライベートでは日本の刑事司法に関心を持ち、冤罪事件の支援活動に取り組む。

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