世界最大級の宿泊予約サイトBooking.com の日本法人ブッキング・ドットコム・ジャパン(東京・港)はこのほど、宿泊施設のサステナブル(持続可能)な取り組みのインパクトを示す「サステナブル・トラベル」バッジの導入を発表した。独自に設定した基準に基づいて、宿泊施設の取り組みを評価し、基準を満たせばバッジの掲載が可能になる。施設を選ぶ際の新たな基準になりそうだ。(オルタナ副編集長=吉田広子)
ブッキング・ドットコムとEYパルテノンの調査によると、宿泊施設産業の年間温室効果ガス排出量は、観光産業による年間総排出量の10%を占める264Mt CO2-eqに上るという。
旅行業界のサステナブルなシフトを後押ししようと、ブッキング・ドットコムは、サステナビリティ関連のコンサルティング会社Sustainalizeの協力のもと、宿泊施設が実施しているサステナブルな取り組みの効果を図る新たな評価基準を作成した。
主要なカテゴリーは次の5つだが、地域によって評価基準が異なる。
・廃棄物の削減
・エネルギーや温室効果ガス
・節水
・地元コミュニティ支援
・自然環境
例えば、干ばつが発生しやすい地域での節水対策や、再生可能エネルギーが普及していない国で再生可能エネルギーを導入している宿泊施設は、より効果が大きい取り組みを行っているとして、高く評価される。
同社によると、地域によって、サステナビリティへの取り組みの評価基準が異なる枠組みは、旅行業界では初めてだという。世界では6万件以上の施設がバッジを取得した。日本では「Azabu Ten Tokyo」(東京・港)やライフ天神福岡(福岡市)などがすでに認定を受けている。