安全性に焦点、米で台頭するコスメ業界の新トレンド

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近年、化粧品業界で台頭した概念の一つにクリーンビューティーがある。定義はブランドごとに異なるが、狭義では「人体に有害の恐れがある成分を使用しない化粧品」を意味する。(新語ウォッチャー・もり ひろし)

考え方が台頭したのは米国市場。欧州に比べて化粧品成分の規制が緩い現状が背景にある(EUの規制成分は約1300種、米国は11種)。

似た概念にナチュラルコスメ(自然由来成分を使用)やオーガニックコスメ(有機栽培植物を使用)もあるが、クリーンビューティーの場合は「有害性の多寡」に焦点があたっていると考えていいだろう。

ただ概念の守備範囲はブランドにより異なる。広義では以上に加えて①地球環境に配慮されている(エコロジカル)②動物実験をしない(クルエルティフリー)③人権などの社会的責任にも配慮されている(フェア)④追跡可能性が確保されている(トレーサビリティー)などの項目を含める場合もある。現状、消費者はブランドの真意を掴むのに注意が必要となる。

これに加えて消費者は「有害性」に関するブランドの主張を科学的根拠(どんな成分をどの目的でどの分量使うと有害なのか)に基づき監視する必要もある。

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もり ひろし(新語ウォッチャー)

新語ウォッチャー。国語辞典の新項目執筆を中心に活動。代表的な連載に「現代用語の基礎知識」の流行観測欄(2010年版~)など。執筆記事一覧

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キーワード: #エシカル

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