「ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟(GFANZ)」は、7つの金融イニシアティブの連合体である。世界の金融機関のネット・ゼロへの移行を加速するために4月に作られた。今後30年間でネットゼロを達成する為には100兆ドル(約1京4000兆円)の資金が必要だが、すべての企業、組織、国を支援することを表明している。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)

GFANZ進捗レポートの表紙

共同議長は、マイケル・ブルームバーグとマーク・カーニーが務める。45カ国、450社以上の金融機関が参加している。資産規模 は130兆ドル(約1京4800兆円)を超え、世界的な脱炭素化に向けて、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)事務局が主催するグローバルキャンペーン国連Race To Zeroとも連携する。 

「グラスゴー・ファイナンシャル・アライアンス・フォー・ネットゼロ(GFANZ)」は、金融会社が実質的な横断的な問題について協力するための実践者主導のフォーラムを提供し、2015年のパリ協定の目標を達成するために、すべての企業、組織、国による資金調達活動の調整を加速し、すべての企業、組織、および国の努力を支援する。

加盟450社は2050年までにネットゼロ目標の達成を求められており、「2020年代に削減目標の50%達成」を目指すほか、5年ごとに目標を見直した上で1年以内に進捗状況を報告する。

「グラスゴー・ファイナンシャル・アライアンス・フォー・ネットゼロ(GFANZ)」は、次の7つの金融インセンティブから成る。

1.「ネットゼロ・アセット・オーナー・アライアンス(NZAOA)は2019年9月に設立され、2021年11月現在アクサ生命保険、チューリッヒ保険、カルパース(カリフォルニア州職員退職金基金等アセットオーナー61社(創立時12社)が加盟、資産額は10兆ドル(約1400兆円)。

日本では第一生命保険、明治安田生命保険、日本生命保険、住友生命保険の4社が署名している。

2.ネットゼロ・アセット・マネージャーズ・イニシアチブ(NZAM)は2020年12設立。ブラックロック、バンガード、ステート・ストリートなどアセットマネジャー 220社(設立時30社)が加盟、資産額 57兆ドル(約7900兆円)。

日本企業はアセットマネジメントOne、ニッセイアセットマネジメント、三井住友トラスト・アセットマネジメント、三菱UFJ信託銀行、日興アセットマネジメント、野村アセットマネジメント、三菱UFJ国際投信、三菱UFJアセット・マネジメント、MU投資顧問の9社が署名している。

3.ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)は 2021年4月設立。署名銀行はバンク・オブ・アメリカ、シティ・グループなど95社(設立時43社)、資産額 は66兆ドル。

日本では三菱UFJフィナンシャル・グループ、野村ホールディングス、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友トラスト・ホールディングス、みずほフィナンシャルグループの5社が署名している。

次のインセンティブは、2021年11月現在、日本企業の署名はない。

4.Paris Aligned Investment Initiative(PAII)は、IIGCC、ケレス等 51社が署名するパートナー投資家ネットワークで、資産額は 2.9兆ドル(約402兆円)。

5.Net-Zero Insurance Alliance(NZIA)は2021年7月設立、アリアンツ、アクサ生命保険、チューリッヒ保険等15社が署名している。

6.Net Zero Financial Service Providers Alliance(NZFSPA)は 、ブルームバーグ、デロイト、EY、KPMG、MSCI、PWC、S&P Global等23社が署名する金融プロバイダーグループだ。

7.Net Zero Investment Consultants Initiative(NZICI)は、ビーファイナンス、カルダノ、レディントン等12社が署名する投資コンサルタントグループで、資産額は10兆ドル(約1400兆円)。