島津製作所と京都銀が協定、社会課題を技術で解決へ

島津製作所は12月13日、京都銀行と包括連携協定を締結したことを発表した。社会課題を解決するためのオープンイノベーションを創出することがねらいだ。京都銀行の取引先が抱える課題に対し、京都に本社を置く島津製作所が分析計測機器などを活用したソリューションを提供する。

土井伸宏・京都銀行取締役頭取(左)と上田輝久・島津製作所代表取締役社長
土井伸宏・京都銀行取締役頭取(左)と上田輝久・島津製作所社長(提供:島津製作所)

島津製作所は社是「科学技術で社会に貢献する」のもと、分析計測機器や医療用診断装置といった精密機器を提供することで、社会課題の解決に取り組んできた。近年は、質量分析(MS)による認知症リスクの診断や食品の機能性成分の解析、全自動PCR検査装置の提供などの事業を展開している。

今回の連携協定では、京都銀行の金融・コンサルティング力と島津製作所の科学技術力を結集し、社会課題を解決する新たなオープンイノベーションの創出を目指す。

具体的なソリューションとしては、健康や環境問題に貢献する「新素材や新製品の開発」、工場排水の監視など「事業活動による環境影響の低減」、新型コロナの陰性確認体制の整備といった「新型コロナウイルスへの対策」などを想定している。

島津製作所経営戦略室グローバル戦略ユニットの岡野雅通さんは、「社会課題を解決するには、まず社会課題を『見つける』ことが大切で、そのための仕掛け・仕組みが今回の連携。京都銀行のような地域密着型の金融機関には、取引先様や地域からの多くの課題が集約されている。異業種で連携しながら、地域の製造業が抱える課題を解決することは、当社にとってもサプライチェーンの強化や従業員のスキルアップにもつながり、地域の持続力の強化にもつながる」と話す。

岡野さんは「『新たな社会課題』に対して、当社がどこまで貢献できるのかという挑戦でもある。京都だけではなく、全国各地や世界にも通用するような課題があるはず。当社の技術力を生かして、環境負荷の低減や付加価値の高い製品づくり、生産性の向上などに貢献していきたい」と意気込みを語った。

yoshida

吉田 広子(オルタナ副編集長)

大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

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キーワード: #SDGs

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