CSR担当者リレーコラム第18回:トヨタ自動車(第2回)

■トヨタの社内活動 「Action SDGs」とは?

CSRリレーコラム(18)

企業のCSR担当者によるリレーコラムを始めます。参加するのは、12社のCSR担当者の皆さん。SDGsや脱炭素など、サステナビリティの潮流は高まるばかりです。CSR活動もますます重要になっています。各企業の担当者には、「自社の一押し活動」から日々の悩みなどを書いていただきます。第18弾はトヨタ自動車 サステナビリティ推進室です。

*CSRリレーコラム参加企業一覧
フジテレビジョン
リコージャパン
日本航空
セブン&アイ・ホールディングス
リクルート
千代田化工建設
帝人
トヨタ自動車
ゴールドマン・サックス
三菱地所
ミツカン
MS&ADインシュアランスグループホールディングス

トヨタとSDGs

トヨタのミッションは「幸せを量産する」こと。

自分以外の誰かの為に行動する「YOUの視点」を持った人材を育てることが重要と考えており、この考えはSDGsの理念にも通じると思っています。トヨタにとって「誰かのために」という考え方は新しいものではありません。創始者である豊田佐吉は母親や現場の作業者の仕事を楽にするために自動織機を開発・改良し、息子の豊田喜一郎は社会や国のために自動車を開発しました。

「誰かのために」

その精神は創業以来、脈々と受け継がれ、豊田綱領やトヨタフィロソフィーとして社員の道標となっています。

2020年3月の決算発表で社長の豊田は「SDGsに本気で取り組む」と宣言しました。これをきっかけにSDGsを理解し、「誰かのために」 という行動をさらに加速はできないか?そのような想いから生まれた取り組みが「Action!SDGs」です。

・トヨタ自動車 ホームページ 「サステナビリティの考え方」

豊田社長のトップメッセージ *クリックすると拡大します

Action!SDGs

Action!SDGsはSDGsへの理解を深め、まずは自身で出来ることを考え行動してみようという取組みです。例えば、各拠点で企画した地域のごみ拾い、街の交通安全を呼びかける立哨、各工場拠点のビオトープの清掃、すべてSDGs貢献に繋がる「誰かのため」の活動だと思います。

このような社内に数多くある活動・事例を、SDGsを軸に集約し、イントラネットで発信することでより広く行動を促しました。そして、行動した内容を登録する度にポイント化され、ポイント数に応じた金額が会社から社会課題に取組む団体へ寄付される仕組みを関係部署と協力しながら取り入れました。さらに登録者に 「誰かのために行動した証」としてSDGsバッジを配布することにしました。

モノづくりの技術を活かした「SDGsバッジ」

SDGsバッジにもこだわりました。これまで培ったモノづくりの技術を活かし、SDGsバッジを社内で生産することにしました。協力を仰いだのは足踏み式消毒スタンド「しょうどく大使」を生産している部署。バッジをつける人達のことを考え、安全・品質を担保するために試行錯誤しました。

また、バッジの素材は燃料電池車MIRAIの水素タンクの廃材をリサイクルして使用。社員へ発送時の梱包袋や宛名を印字する紙も環境に優しい素材を採用して徹底的にサステナビリティにこだわりました。

17色のカラー塗装・梱包・各拠点へのバッジ発送はグループ会社であるトヨタループスに依頼をしました。このように様々な方とのパートナーシップで企画の立ち上げ・SDGsバッジの社内生産が実現できました。

SDGsバッジ製作の想い

しょうどく大使

トヨタループス

モノづくりの技術を活かして「SDGsバッジ」を製作
社内で生産したSDGsバッジ

モノづくりの技術を活かした「SDGsバッジ」

Action!SDGsは立ち上げ後、多くの社員から共感を得て、半年で4万人以上(社員の半数)が参加しました。社内からは「今までの行動はすべてSDGsに貢献する活動だったんだ」「バッジを家に持ち帰ったことをきっかけにSDGsについて家族と話をした」「組織単位でSDGs活動推進の風土が高まった」という声も。今後も社員一丸となり、「誰かのために」Action!しその輪を拡げていきたいです。

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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