酸性化と高温のダブルパンチ

■人と魚の明日のために(38)
人間が大量に放出する二酸化炭素(CO2)は温暖化による海水温度の上昇や海洋の酸性化などをもたらし、海の生物多様性やそれに依存する漁業に大きな影響を与えると懸念されている。

最近では、水温上昇によって表層と中層以下の海水の温度差が拡大して混ざりにくくなり、表層の酸素濃度が減少していることも分かってきた。

個別の事象については影響や将来予測の研究が進んでいるが、実際の海ではこれらの現象が同時に起こる。海の生態系や漁業の将来を考える上では複合的な影響を調べることが重要なのだが、この種の研究はまだまだ少ない。

北海道大地球環境科学研究院の藤井賢彦准教授らの研究グループは、水温上昇や酸性化、貧酸素化が北海道の漁業資源に与える複合的な影響を予測した研究成果を発表した。

ホタテやウニへの影響も

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ida_tetsuji

井田 徹治(共同通信社編集委員兼論説委員/オルタナ論説委員)

記者(共同通信社)。1959年、東京生まれ。東京 大学文学部卒。現在、共同通信社編集委員兼論説委員。環境と開発、エネルギーな どの問題を長く取材。著書に『ウナギ 地球 環境を語る魚』(岩波新書)など。2020年8月からオルタナ論説委員。

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キーワード: #生物多様性

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