丸井グループ共創経営レポートをオウンドメディア化

丸井グループの「共創経営レポート」

■オルタナ総研統合報告書レビュー(9)■
丸井グループの「共創経営レポート」は2015年発行時より青井CEOが企画会議に参加する「経営戦略書」です。2021年、めざす姿をステークホルダーに共感・体感して頂く為のオウンドメディアとして再編集しました。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)

「共創経営レポート」企画会議は、2021年3月~12月で計17回行われ、社内参加者は青井CEO、加藤CFO、経営企画部、IR部、財務部、サステナビリティ部/ESG推進部、ウェルネス推進部、総務部、投資調査部所属であり、テーマによっては、関連するステークホルダーが加わりました。

企画会議のテーマは、「投資家・有識者・社員アンケートの結果共有」「第2期共創経営レポートが向かうべき方向性 」「6ステークホルダーに共感・体感していただくメディアとは」「丸井グループがめざす価値、インパクトの考え方」「丸井グループにおける将来世代の存在と定義」等広範囲に亘っています。

従来の「共創経営レポート」は、IIRC(国際統合報告評議会)が提唱する「国際統合報告フレームワーク」や「伊藤レポート2.0」、「価値協創ガイダンス」を参照し、丸井グループの経営理念や持続的成長を支える財務・プレ財務情報を中心に統合報告書として編集してきました。

今年度は、2026年3月期に向けた新中期経営計画において3つのテーマからなる「インパクト」を策定したことを機に、「共創経営レポート」を丸井グループがめざす姿をステークホルダーに共感・体感していただくためのオウンドメディアとして再編集しました。

オウンドメディアとは、「自社で所有するメディア」を指す言葉です。企業が所有するホームページ、ブログ、SNSアカウントなどのメディアを総称した呼び方です。

「ユーザーの興味を引く有益な情報を発信する」という役割を持ち、動画やコラムなどに載せて、企業ごとにユニークな情報を発信しているのが特徴です。

2021年5月に策定した、2026 年に向けた5カ年の中計では、事業戦略や資本政策に加え、「活動を通じて生み出したい社会的変化」を意味する「インパクト」が加わりました。

「インパクト」は「ステークホルダーが私たちに求めること」の中で「私たちが応えられること、応えたいこと」は何かというように、ステークホルダーが起点となっています。

同社がめざす「インパクト」は、「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりのしあわせを共に創る」「共創のプラットフォームをつくる」という3つのテーマと次の6つの重点項目で構成されます。

重点項目は、将来世代の未来では「脱炭素社会の実現」「サーキュラーエコノミーの実現」、一人ひとりのしあわせでは「一人ひとりの自己実現を応援」「一人ひとりの好きを応援」、共創では「共創の場づくり」「「社内外に開かれた働き方の実現」の6つです。

また「共創経営レポート」には、2020年の「役員の特徴的な資質」に続き、2021年は「役員スキルマトリックス」が掲載されました。

「役員スキルマトリックス」は、「共通スキル」、「独自スキル」、「スキル設定根拠」が示されていますが、「役員の特徴的な資質」も含め2021年6月改訂コーポレートガバナンス・コードの「経営戦略に照らして取締役会が備えるべきスキル(知識・経験・能力)と、各取締役のスキルとの対応関係の公表」の文脈として公表してはいかがでしょうか。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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