発売35周年を迎えたキリンビバレッジの人気商品「午後の紅茶」はCSV活動を強化していく。同社では昨年6月、ブランド初となる「国内復興応援」型のいちごティーを期間限定で発売した。寄付につながる点が社会課題への意識が高い若者に共感され、同社が2014年以降に発売した限定商品(80種類以上)の中では、発売初週の売上高は最も高かった。今後も継続的に「復興応援」につながるCSV活動に取り組み、ブランドのプレゼンスを高めていく。(オルタナS編集長=池田 真隆)
「『災害支援』に関しては、お客様の意識は非常に高いです。このプロジェクトを通して、キリンビバレッジの『コミュニティ』領域の代表的なCSV活動として毎年商品を発売し、継続的に国内復興応援活動を実施していきます」
昨年12月16日、熊本県で開いた寄付金の贈呈式に登壇した、キリンビバレッジの加藤麻里子・マーケティング部ブランド担当部⾧シニアブランドマネージャーは今後の抱負としてこう述べた。CSVとは、Creating Shared Valueの頭文字を取った言葉で、「共通価値の創造」と訳す。商品やサービスを通して、顧客とともに社会課題の解決につなげる戦略だ。
同社では昨年6月、CSV活動として、熊本県産のいちご「ゆうべに」を活用した「午後の紅茶 for HAPPINESS 熊本県産いちごティー」を販売した。「午後の紅茶」ブランドとしては初の国内復興応援型商品だ。1本の売り上げに付き3.9円を寄付金とし、熊本県内の地域社会・コミュニティーの支援につなげた。
寄付につながる点などが若者たちに共感され、SNS経由で広がった。2021年度の売上本数は9,924,264本、寄付額は38,704,630円に及んだ。
発売から35周年を迎えた「午後の紅茶」はキリンの人気ブランドだ。10~30歳代を対象に実施したキリン企業好意理由で1位を獲得した(2020年、キリンホールディングス調べ)。
贈呈式で加藤氏は、次なる午後の紅茶の挑戦として、「CSV」を強調した。国内の復興応援につながる商品を「毎年販売して、継続的に応援していきたい」と話した。