レシピ紹介に割引販売、創意工夫で食品ロス減らす

顧客を巻き込みながらフードロス対策を行う企業が増えている。オンラインの料理イベントや対象商品の割引販売など、創意工夫で取り組む。(オルタナS編集長=池田 真隆、オルタナ副編集長=山口 勉)

サルベージクッキングでは、家庭で余った魚、野菜、お肉、調味料の活用方法を紹介している

日本のフードロスの量は年間で612万トンに及ぶ。これは国民全員が毎日お茶碗1杯分を廃棄した量に匹敵する。フードロスの半分は家庭から出るため、味の素では家庭であまった食材の活用方法や食べきれるレシピや習慣をオンラインイベントで紹介している。

それがフードロス削減の施策「サルベージクッキング」だ。サルベージクッキングとは、家であまった食材を持ち寄って行うパーティーを指す。

同社では2050年までにサプライチェーン全体でのフードロス50%削減を目標に掲げている。高取幸子・サステナビリティ推進部長は、「この目標を達成するためにお客様と一緒になって取り組んでいきたい」と話す。

イオングループは、食品廃棄物を2025年までに、2015年度比で50%削減する食品廃棄物削減目標を掲げる。

同社では店舗で出た食品の残さを堆肥にして、「食品資源循環モデル」を構築した。生産した堆肥は、イオンが運営する畑にまき、農産物の生産に活かす。

採れた野菜はイオンの店舗に並ぶ。これにより、2020年にはおおよそ4474トンの残さを回収し、186トンの堆肥を生産した。

店舗では、食材を無駄なく使うレシピの紹介や、クッキング・ステーションと呼ばれるコーナーで料理の実演も行う。

スターバックスは2030年までに店舗などから出る廃棄物50%削減を目標に掲げる

スターバックス コーヒージャパンは2021年8月から、閉店の3時間前から、一部食品を20%値引きし、食品ロスの削減につなげている。

売り上げの一部は、こども食堂を支援するNPOに寄付する。社会の課題に向き合い、地域の子どもたちの食を支援しながらより良い未来づくりに取り組むのが狙いだ。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #SDGs#フードロス

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