企業内技術士はSDGsにどう貢献できるのか

「企業内技術士シンポジウム2021 よくわかるSDGs ~社会課題をビジネスで解決しよう~」レポート

「企業内技術士シンポジウム2021」が2021年10月にオンライン開催され、約380人が参加した。シンポジウムでは、SDGsを正しく理解した上で、SDGsがもたらす社会・企業及び技術者にとってのビジネスチャンスやビジネスの具体的な組み立て方について考えることを趣旨として、出版、製造、エネルギーの各分野から3人の講師を招き、それぞれの専門の立場からSDGsに関わるご講演を頂いた。(「企業内技術士シンポジウム2021」事務局)

企業内技術士交流会 会長 斉藤 泰久 氏

開会にあたり、斉藤泰久企業内技術士交流会会長は「今回のシンポジウムはSDGsをテーマとしている。企業の利益とSDGsの趣旨は相反する面があり、みな頭を悩ませている。一方で、地球の持続性について多くの人が声を上げるようになり、新たなビジネスの創設が求められている。企業は地球のものであるという考えのもとで、ビジネスの世界においても『誰一人取り残さない』というキーワードの実現を考える機会となり、何かヒントとなるものが残ることに期待している」と挨拶した。

【講演Ⅰ】「SDGsと『アウトサイドイン』」

株式会社オルタナ代表取締役・「オルタナ」編集長
武蔵野大学大学院環境学研究科客員教授
森 摂 

株式会社オルタナ代表取締役・「オルタナ」編集長 森 摂

「alterna」は、サステナビリティ、CSRをはじめ、最近ではESG、SDGsといったテーマを中心に、雑誌やオンラインにおいて展開している。若者向けにデジタルメディア、Z世代向けのインスタグラムメディアでの発信の他、CSR検定などのサービスを提供している。本日は、なぜSDGsが生まれたのか、そして、皆様の仕事との関係性について中心に紹介したい。

最近の電通による調査では、日本におけるSDGsの名前やロゴの認知度は54%と半分を超える。一方、SDGsの内容まで含めて知っている割合は20%に過ぎない。従って、今後、「SDGsとは何か」との理解が重要といえる。本日のテーマは、SDGsのほか、脱炭素にも触れて説明する。

SDGsと脱炭素:リスクとチャンス

CSR、SDGs、ESGの違いについて混乱されている方が多いと思われる。これらは、ほぼ同じ領域にあり、3つを合わせてサステナビリティ領域、あるいは非財務領域とも言い換えられる。何が異なるのかと言えば、全て企業への要請に関するものであり、それぞれの「要請元」が異なる。最も広義のCSRは社会から、SDGsは国際社会から、ESGは投資家や株主からの要請だ。しかし、取組むべき内容は、ほぼ同じと考えて差し支えない。

本日のテーマであるSDGsや脱炭素の3大リスクと3大チャンスは同じものであり、気候変動(脱炭素:E)、人権(S)、ダイバーシティ(G)が相当し、今後もこれらが3大テーマとなっていくものと考えている。リスクは機会(チャンス)でもあり、攻めと守りは同時である。

サステナビリティは野球と比べてサッカーに似ており、その理由として①攻守同時②スピードが命③グローバル感覚が挙げられる。「攻守同時」は、サッカーで攻めていると思ったらカウンターを受けるのと同じで、リスクはチャンスとなる。

「スピードが命」は、社会状況に応じて次の一手を読むことが重要といえ、サステナビリティ領域も早くやった方が勝つのである。「グローバル感覚」は、子供のころ、野球が世界の主流と思っていたら、実はサッカーがメジャーであった様に、アメリカだけを見ても不十分であり、脱炭素や人権は欧州が起点となることが多い。

3大テーマの一つの気候変動(E)に関して、IPCCの最新報告によると、従前よりも10年早く進行している。30年前のCO2は350ppmであったが、2021年には420ppmとなり、気温は産業革命前より既に1.5℃上昇した。

環境やサステナビリティへの流れは元を辿ると公害に始まり、1987年に初めて「サスティナブル・ディベロップメント」という言葉が生まれた。この言葉は、持続可能な発展や成長と捉える必要がある。そして、この流れは気候変動対策の原点となる京都議定書に繋がっていった。

人権(S)に関して、ミャンマーのクーデターや新疆ウイグル自治区の問題など、ビジネスにリンクして企業が決断を迫られることがある。よく知られた事例として、パーム油が挙げられ、森林破壊や絶滅危惧種の問題もあるが、児童労働の問題にも繋がっている。

また、自動車や電子部品に必要なレアメタルの鉱物紛争は、強制労働や資金が非合法組織や反政府組織などに流れることに至り、国際問題化し、企業に紛争鉱物のトレーサビリティが求められるところまで進展した。この様にビジネスにおいて民主主義のリスクと直結することが多くなってきている。

ダイバーシティ(G)に関して、人権やLGBTといった、これまで認識されなかった課題が顕在化し始めている。大きな背景には、世界的に見るとZ世代の社会課題への関心が高まっていることにある。一方、企業が社会問題に取組めば、社員の賛同が得られやすく、単に株主対策の問題では無く、従業員対策に繋がることが示されている。

SDGsが浸透してきた理由に触れる。コフィ・アナン国連事務総長(当時)は、1999年のダボス会議において並居る世界の経営者に対して、社会課題解決に取り組み、コア・バリューを高めることを説いた。これは同氏の「3つの贈りもの」である「MDGs」「国連グローバル・コンパクト」「PRI」(国連責任投資原則)に繋がった。

企業がSDGsに取り組む理由として、事業やCSRのリスク低減、事業機会の創出、従業員・顧客・社会満足度の向上、顧客創造が挙げられる。SDGsやCSRは目的ではなく、共通言語や経営ツールに過ぎず、企業の目的は顧客創造にあり、結果として企業価値や利益の向上に繋がる。

チャンスを活かす「アウトサイドイン」

サステナビリティはチャンスに繋がる。ユニリーバのブランドのうち、サステナビリティを前面に掲げたものは、他のブランドより成長が速いとの報告がある。これは、社会課題の解決の取り組みを企業が示すことが前提となる。

その象徴であるアウトサイドインを紹介する。アウトが社会、インが企業に相当し、従来はプロダクト・アウトとマーケット・インが主流であったが、顧客の先にある社会に注目すると、社会課題起点の新規ビジネスの創造に繋がる。

オムロンの創業者・立石一真氏は創業当初から社会ニーズに着目し、社会が何を求めているのかを見つけようとしたのは、当にアウトサイドインである。日立製作所の中西宏明前会長は社会イノベーションという言葉を広め、社会課題起点を目指した。

大丸松坂屋の社訓である「先義後利」という言葉があるが、社会貢献から利益を生み出す取り組みを行う企業が社会から評価を受ける。トヨタ自動車が京都議定書に合わせて投入したハイブリッド車もアウトサイドインである。但し、現在では水素車などに代わってきており、アウトサイドインは社会情勢に伴い変化していく。

ほかにも、リクシルの簡易トイレ「SATO」、アディダスの「パーレイ」、中越パルプ工業の「里山物語」、山陽製紙の「PELP!」などの例があるが、今後もアウトサイドインの事例は増えていくものと思われる(談)。

SX(サステナブル・トランスフォーメーション)とは

DXは既にビジネスの主軸になりつつあるが、「SX」に注目したい。トランスフォーメーションには改革という言葉が使われているが、事業の形まで変えることと捉えたい。企業の例として、富士フイルムの事業は、銀塩フィルムからヘルスケアやオフィス複合機などに転換した。

サンリオは絹、トヨタは自動織機、マツダはコルク、ソフトバンクはソフト卸から現在の事業に変化を遂げた。このように、社会変化に応じて事業が変わっていくことがトランスフォーメーションであり、その担い手がデジタルであり、サステナビリティがトランスフォーメーションのベースになる。

SDGsは、決して押し付けられるものでも、単にゴールに当てはめるものでもなく、社会変化を表しているものとして、理解する必要がある。そして、社会変化によって生じる需要を他社より早く見つけること、その精神をSDGsが教えてくれている。社会変化に対応できた企業が生き残る。つまり、SDGsは「生き残りのツール」である。

【講演Ⅱ】「近未来をデザインしソーシャルニーズを創造するイノベーションマネジメントへの挑戦」

オムロン株式会社 技術・知財本部 副本部長 兼
オムロン サイニックエックス株式会社 代表取締役社長
諏訪 正樹 氏

オムロン株式会社 技術・知財本部 副本部長 兼 オムロン サイニックエックス株式会社 代表取締役社長 諏訪 正樹 氏

創業者・立石一真氏がレントゲン写真撮影用タイマー製作を島津製作所の友人に依頼された事を契機として、1933年大阪・東野田にて創業したベンチャー精神に富む企業。1955年に大きな転機を迎え、オートメーションへの事業展開を宣言した。

そのきっかけは2つ。ノーバート・ウィーナーの著書『サイバネティックス』との出会いと、アメリカのファクトリーオートメーション市場視察時にその後のオートメーションの普及を看破した事。

オムロンは「ソーシャルニーズの創造」を企業理念の中での大切な価値観としている。その理念の具現化の例が自動券売機や全自動感応式電子信号機である。これらは最初からニーズがあった訳ではなく、時代に先駆けてソーシャルニーズを捉え、新技術・新製品として創出してきた。

現在のオムロンは多岐にわたる事業ドメインの中で5~30億円規模の事業をメインに約60から構成され、ベンチャー・コングロマリット事業の集合体ともいえる。

事業成長には、常に代謝を求められ、如何に大量のトライ&エラーを実践するかが重要。大企業にとって新事業創出が難しくなっていく中で、大きな契機の一つが2015年のCTO創設。新事業創出機能をCTO直下に集約し、既存事業に捉われないバックキャスト目線でのソーシャルニーズの創造を開始。

更に2018年にイノベーション推進本部を設置し、近未来デザイン・戦略策定・事業検証・インキュベーションを一気通貫で実行する新事業創出プラットフォームを新設した。事業創出の実例として、京都府舞鶴市との共生型自律コミュニティプロジェクト(共生型MaaS実証実験)、大分県で事業検証中の自立支援サービス、中国で事業検証中のアグリオートメーション等がある。

サイバーネーションとSINIC理論

1959年、オムロンはサイバーネーション(自動制御技術にコンピューター技術を組み合わせたもの)時代の到来を予測し、部品メーカーの中小企業からシステム事業を扱う企業へと非連続的に転換した。

1963年に京都大丸に納入された日本初の食券販売機は、機械的作業である食券販売に、釣銭の計算、偽札検知等のコンピューターによる頭脳的作業が付加され、サイバーネーションの草分けとなった。サイバーネーションの到来に備え、イノベーションへ向けた必然の先行投資として1960年、当時の資本金の4倍の資金を投入して中央研究所を設立した。

イノベーション実践のためには、未来の社会を予測することで、ソーシャルニーズを捕捉することが必要との信念に基づき、SINIC理論が提唱された(SINIC:Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution)。社会・科学・技術の3つが相互に刺激しながらスパイラルに世の中が進化し、あらゆる分野で工業化社会から最適化社会を経て自律社会へと、社会の構造が変遷すると想定した。

技術革新を起点にソーシャルニーズを創造

講演者が社長を務めるオムロン サイニックエックス株式会社は、技術革新を起点としたソーシャルニーズの創造を使命とし、2018年に設立された。サイニックエックス(SINIC X)のエックス(X)は未知なるXであり、当初のSINIC理論が予測している2033年よりも先の未来を考えるという意味でもある。ダイバーシティーにも積極的に取り組み、15人弱の現社員の中でオムロン社員は3人のみである。

海外の大学院生を積極的に招聘し、インターンとして活用している。インターン中の研究成果への期待もあるが、その後の波及効果への期待も大きい。後に母国へ戻って活躍した際にオムロン サイニックエックスでの業績が人の目に留まり、コミュニケーションの中から結果的に新たな人的ネットワークが創出されて優秀な人材が集まる。

オムロン サイニックエックスがオムロンと共に注目しているのが人と機械の関係性。最初は機械が人の作業を置き換える「代替」に始まり、その後機械と人が作業を分担する「協働」へと移り、これからも益々人と機械が協働する社会となるが、その先のSDGsの社会においては、機械が人の能力を促進し、意欲を引き出す「融和」へと変遷する。

オムロンは人と機械の融和をシンボリックに表現する「卓球ロボット:フォルフェウス」を創作した。人とラリーを続けられる所から始まり、相手が初心者かベテランか、どれだけ夢中になっているかも認識し、成長のためのサポートも可能になった。製造現場などで熟練者のスキルを初心者へ伝承する際にこの技術の活用が期待できる。同様の目的でオムロン サイニックエックスではディアボロ(中国コマ)を操るロボットを実装した。

これから近未来をデザインする(未来を考える)にあたっては、社会課題をどう捉えるかが重要。テクノロジーの進化が人の弱体化に繋がってしまう事は社会課題である(身近な例ではスマホの利用による人の記憶力の劣化等)。

今後は人を弱体化させないテクノロジー進化が必要になる。このように近未来デザインは容易ではないが、やり続けるしかない。妄想から始められる。報知新聞が1901年1月に行った20世紀の預言(妄想)23項目の中で、その後12項目が実現、5項目が一部実現している。これはたとえ妄想であってもいずれは近未来デザインに繋がる可能性がある事を体現している(談)。

【講演Ⅲ 】「社会課題と多様技術のイノベーション」

シン・エナジー株式会社 代表取締役社長
乾 正博 氏

シン・エナジー株式会社 代表取締役社長
乾 正博 氏

人類は社会課題を解決しているか作っているか、社会課題を俯瞰してみたい。数千年の間に人類は大陸では古代ローマから中世ヨーロッパにおいて農業や建築などの技術と封建主義や資本主義など社会制度のイノベーションにより発展したが、結局は滅亡していった。

一方、わが国ではサスティナブルな江戸時代の後、明治維新以降は富国強兵、海外との戦争へ邁進して太平洋戦争に至った。戦後に世界に類を見ないイノベーション、キャッチアップにより経済大国となったが、長い歴史の中ではほんの1ページであり、日本あるいは人類に対し社会課題を俯瞰して、どんなイノベーションが望まれるか見極めたいと思っている。

ここ200年程度を見た時に産業革命起点の蒸気機関登場により工業化が進み、機械、半導体、インターネット、AIなど急速にイノベーションや技術革新が進んでいる。

今後100年、200年このまま進むのか、人間らしい社会創造アプローチや自然との一体化イノベーションが望まれるのかが人類と地球の岐路と考えており、過去の歴史から見て考えていくことが一つの視座と考えている。時価総額ランキングを見ると1989年から30年でトップ企業が入れ替わるなど成長期待が変化しており、今後30年でまた変化すると考えられる。この変化には社会課題と社会期待が隠されており、農業、宗教、産業、科学などがからみあって進歩あるいは衰退している。

化石燃料の輸入依存からの脱却を

世界の人口増加とエネルギー消費量には密接な関係があり、最近200年で化石燃料を主とするエネルギー消費量と人口の急増が見られる。日本は明治維新以降、経済優先で欧米対等を目指し、戦争を経てオイルショック後に原発導入し、その後地球温暖化に至っているが、日本人自らの選択というより選択を余儀なくされたと考えている。

今年度の税収57兆円の中で化石燃料輸入に年平均20兆円が流出しており、これを削減する必要性がイノベーションや社会課題解決につながる。2050年脱炭素実現をシナリオとして100%エネルギー自給を目指し海外依存を漸減することで20兆円を国内還流する必要がある。

EVリユースバッテリでは、国内の車で8000万kW/hのデマンドレスポンスを生む可能性があり、蓄電池シナリオは技術革新だけでなく時代の流れで自動的に進むものと考えている。

地域とともに電源価値創造に取り組む

社会課題克服や社会制度の変革では常にオルタナティブ対案が必要だが、バイアスにより革新が困難である。一方、経営や部署、個人は柔軟性が高いので経営や事業に革新が生かされれば日本も変わることができる。そのためには、日本の地理特性、習性、歴史を生かした社会・技術モデルが重要である。

大型、集中、化石燃料、画一化などから中小型、分散、再エネ、個性、多様化などにシフトすることで社会課題を解決して幸福・共生社会が実現するならば、このような技術・社会制度アプローチが必要である。ガラパゴス・ケータイからスマホへの変革はコンセプトやアイデンティの違いにより価格が高くても支持される意味的価値の創造である。

このようにSDEAモデルによる左から右方向へのアート、デザイン思考が重要であり、イノベーションのために右左交差するような思考を取り入れている。当社のフォーカスするイノベーションは「脱炭素」、「林業衰退」、「食自給率」に関するものである。

特にフードセキュリティは、大きい問題であり有機、化学肥料、農薬の問題とも密接に関係している。現在8兆円の食を輸入しており、エネルギーの自給問題とともに食の海外依存は喉(腹)元の課題として解決する必要がある。一方、エネルギーについては1次産業と位置付けて、テクノロジー、コスト、セキュリティの課題を解決していく必要がある。

当社は、「再生可能エネルギー」と「新電力」を事業ドメインとし、経営理念は「未来の子供たちのありがとうのため 生きとし生けるものと自然が共生できる社会を創造します」としており、社名「シン・エナジー」は「シンビオシス(共生)」と「エネルギー」を組み合わせたものである。

全国で水力、地熱、木質バイオマス発電などを展開し、地域と取り組む電源価値創造と地域新電力開発を行い、地元密着の地産型で林業衰退と脱炭素課題に取り組み、地域資源循環と燃料改質技術のイノベーションを目指している。

木質バイオマス発電プラント(ドイツ製)には25憶円を投資したが、ヨーロッパトウヒと国産杉のカリウム含有量の違いによるクリンカ発生で1年停止したため、大学と共同でアルミナ添加により解決し安定稼働を達成した。発電事業では電力をFITで売り発電の廃熱でペレットを製造、温浴や市民病院施設のボイラー、空調で利用する。

さらに、ボイラーで発生したペレットの炭と微生物でチャーペレットを製造し圃場還元することで、芋の基腐れ防止により収量増加に繋がっている。ごみ問題では資源循環の視点で、生ごみをメタン発酵施設でバイオガスにして発電する一方で、発生する液肥、消化液の増加を廃熱利用で固液分離、硫安化することで減容化し、窒素固定しながら安定的に農作物育成を可能とし、農地還元50%、50%減容し肥料蒸発と揮散化を防止することに成功した。

生態系を維持し生活圏で人口や地域を養いつつ自然資源とともに楽しくおいしいものを循環的に生産消費していく技術イノベーションが必要と考えている。縄文時代からの農耕民族が行っていた自然とともに生きる技術を日本はローカルイノベーションとして行っていく必要がある。今後は、小型風力発電の活用や、EVや分散型電源が増えることによる需給調整やマイクログリッドの技術を進め、ローカルエリアで成功モデルを増やす。

現在は、「淡路モデル」を進めており、淡路島を日本縮図として再生可能エネルギー100%の地域、または、地元市民出資型の再生可能エネルギー発電を行うモデル地域を目指してしている。地域課題である竹害対策として、竹を燃料や肥料、線香の原料などに有効利用する研究・検証し、化石燃料の代替や肥料に活用する地域循環モデル事業を推進する。

日本の「エネルギー」、「食」、「社会システム」で世の中を良くしたい。日本の「社会システム」とは「福祉」、「地域通貨」、「教育」、「おまつり」、「文化」、「アート」などであり3つの技術イノベーションを当社だけが作るのではなく、地域の人とその個性活かしながら作る視点が必要と考えている。

邪魔しすぎないプラットフォーマーとしてイノベーション連鎖を起こしていきたい。そのことで社会に価値を与え続けていきたいと考えている(談)。

※「企業内技術士交流会会報」から転載

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #SDGs

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