仏アムンディが脱炭素化に向けた行動計画

フランスの資産運用会社アムンディはこのほど2025年までの脱炭素化に向けた行動計画である「ESG Ambition 2025」を発表した。シェールガスの生産に関わる企業への投資撤退や「ネットゼロ」商品を幅広く提供するなど脱炭素化の実現に向けた取り組みを加速化させる。(オルタナ総研フェロー=室井 孝之)

ESG領域の動きを加速していく

「ESG Ambition 2025」では、地域や資産クラスを超えて気候変動対策を支援するためにより高い目標を掲げた。今後、幅広い「ネットゼロ」資産運用商品・サービスを充実させる予定だ。

アムンディは、脱炭素への公正な移行をサポートする投資戦略や2021年6月に発足した「Just Transition(公正な移行)のための投資家」連合を通じ、投資家と企業の力を結集することに注力していく。

「ESG Ambition 2025」の主なプランは、次の通り。

・投資家からの高まる需要に対応するため、アクティブ運用の「ネットゼロ」ファンドやサービスを拡充する。
・環境や社会的課題に対するインパクトを意図する新たな運用ソリューションを立ち上げ、インパクト投資の資産規模200億ユーロの達成を目指す。
・ETF(上場投資信託)全体の40%をESG投資とし、責任投資へのアクセスを加速・促進する。
・開発した「ALTO サステナビリティ(Amundi Leading Technologies and Operations)」を活用し、ESGや気候関連の分析モジュールを統合するテクノロジー・ソリューションを通じお客さまをサポートする。
・気候変動への取り組みを促すためのエンゲージメントにおいて、新たに1,000社以上を対象に加える。
・オイルサンド、シェールオイル&ガスの生産に関わる企業への投資から撤退する。
・自社事業活動における排出量を、従業員一人当たり30%削減する。
アムンディは2022年の年次株主総会において、自社の気候変動に関する目標に関して、株主に意見を表明するとともに投票する機会(株主総会におけるSay-on-Climate)を設けると強調した。

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室井 孝之 (オルタナ総研フェロー)

42年勤務したアミノ酸・食品メーカーでは、CSR・人事・労務・総務・監査・物流・広報・法人運営などに従事。CSRでは、組織浸透、DJSIなどのESG投資指標や東北復興応援を担当した。2014年、日本食品業界初のダウ・ジョーンズ・ワールド・インデックス選定時にはプロジェクト・リーダーを務めた。2017年12月から現職。オルタナ総研では、サステナビリティ全般のコンサルティングを担当。オルタナ・オンラインへの提稿にも努めている。執筆記事一覧

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キーワード: #SDGs#脱炭素

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