スタバ、利便性と環境性の両立へ 春から実証実験

スターバックス コーヒー ジャパンは3月17日、使い捨てカップやプラスチック製のフタ、スプーンやフォークの削減に向けた4つの施策を発表した。同社は2030年までに「廃棄物50%削減」というグローバル目標を掲げている。「利便性」と「環境性」の両立を目指し、春から一部の店舗で実証実験として取り組む。(オルタナS編集長=池田 真隆)

プラ素材の削減や代替素材を使うことで利便性と環境性の両立を目指す

一つ目の施策は、使い捨てカップの削減だ。フラペチーノなどの「アイスビバレッジ」を店内で利用する際、樹脂製のグラスで提供する。4月18日から国内106店舗で試験導入を始める。

店内では「アイスビバレッジ」を樹脂製グラスで提供する

二つ目はカップの循環プログラムだ。繰り返し使える耐久性のある貸出カップでドリンクを提供し、客側は飲み終わったカップを店舗に返却できる。パートナー企業の洗浄によって再利用を可能にする仕組みだ。

2021年秋から東京・丸の内エリアを中心に10店舗で実証実験を開始しており、この対象店舗を、4月4日から渋谷エリアのスターバックス9店舗にも拡大する。

東京・丸の内で展開していた「借りて・返して・再利用する」カップ循環プログラムの対象エリアを渋谷にも広げる

三つ目の施策は、アイスビバレッジを店内で利用する際、フタをせずに提供する取り組みだ。4月18日から国内113店舗で先行導入し、2022年夏頃には全国での展開を目指す。スターバックスでは2020年11月から、ストロー不要のフタでの提供を行ってきたが、この取り組みをさらに進めた。

最後は、石油由来の使い捨て「カトラリー」の削減だ。リユーザブルカトラリーと100%植物由来素材のカトラリーの提供を行う。3月末から全国の店舗で店内利用時は、ステンレス製のフォークやナイフに加え、ステンレス製のヨーグルト用スプーンも導入し、リユース可能なカトラリーでの提供を徹底する。

3月中旬からお持ち帰り時には、ポリスチレン製の従来品に代えて、100%植物由来で、海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE」を取得したカトラリーを新たに導入する。

「OK Biodegradable MARINE」は、ベルギーに本部を置く国際的な認証機関による認証で、海水中(30℃)で、生分解度が6ヵ月以内に90%以上になることを証明した。

これらの取り組みで、使い捨てカトラリー使用量を年間最大約44%の削減につなげ、年間約60トンの石油由来のプラスチック削減を見込む。

スターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文・CEOは、利便性と環境負荷を両立するためには、「お客様に共感いただき、多様な選択肢の中から一人ひとりに合った持続可能なスターバックス体験を見つけ出していただくことが、地球と地域のサステナブルな未来につながっていく」と話した。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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