ガバナンスに優れたNPOを認証、データも一挙公開

非営利組織(NPO)のガバナンス評価などを行う非営利組織評価センター(JCNE、東京・港)はこのほど、同センターが認証したNPOの一覧リストの提供を開始した。これまでも認証団体の情報は公開していたが、検索できないなど利便性に課題があった。JCNEは、信頼できるNPOをより探しやすくすることで、企業や助成財団などからの寄付につなげるなど活用を促したい考えだ。(オルタナ副編集長=山口勉)

JCNEは、NPOの中でも組織運営やガバナンスが一定水準以上の団体を認証する制度「グッドガバナンス認証」を実施している。

グッドガバナンス認証団体は、外からは見えにくい組織内部の状況を第三者機関に開示して、信頼性・透明性の向上に努めている団体で、2022年3月時点で53団体が認証を得ている。

JCNEは寄付をしたい、ボランティアとして参加したいという個人や企業が、期待をかけて支援ができる団体として紹介している。

グッドガバナンス認証団体の情報は、これまでもJCNEのウェブサイトで公開していたが、検索機能がなく求める認証団体を見つけにくいことが課題だった。提供を開始したリストはエクセル形式で、検索やソートがしやすく、求める団体を見つけやすくした。

グッドガバナンス認証を取得した団体の活動を紹介するガイドブック『Good Governance Voice2022』もウェブサイトからダウンロードできる。親しみやすいデザインを意識したといい、2022年2月時点の認証49団体を掲載した。団体ごとのページで評価内容の詳細を紹介している。

またJCNEは、NPOの運営実態をセルフチェックと提出書類をもとに簡易的に評価した「ベーシックガバナンスチェックリスト」の提供も開始した。

2022年4月7日時点で公開されているのは328団体で、継続的に第三者評価を受け、情報開示に積極的な透明性の高い団体として、JCNEが支援を推奨している。ウェブサイト上で検索でき、リストもダウンロード可能だ。

広報担当の浦邉智紀さんは、「企業のCSR担当者や助成財団担当者が、信頼性・透明性の高いNPOを見つける1つの手段として利用していただけると嬉しい。SDGs目標17の「パートナーシップの活性化」にも活用できるように、NPOとの連携や協働の促進につなげたい」と期待を込めた。

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山口 勉(オルタナ副編集長)

大手IT企業や制作会社で販促・ウェブマーケティングに携わった後独立。オルタナライターを経て2021年10月から現職。2008年から3年間自転車活用を推進するNPO法人グリーンペダル(現在は解散)で事務局長/理事を務める。米国留学中に写真を学びフォトグラファーとしても活動する。 執筆記事一覧

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