社会を動かす「政策起業家」が持つ5つの戦略

【連載】政策起業家とは何者か(2)

「政策起業家」について世界の研究者たちの考えをまとめた連載コラム第2弾です。前回は政策起業家の定義について触れました。今回は政策起業家の属性とスキル、主な戦略についてご紹介します。(三井 俊介・NPO法人SET理事長)

政策起業家の戦略や要素、行動特性などはまだ乱立している状態だと言えます。ケアニーは「三つの習性」、クリストポロスは「四つの行動特性」、ビュッヒャーは「八つの典型的な機能と特徴」などとしてまとめています。

今回は様々な先行研究を見た上で、ミントロムの「5つの属性、7つのスキル、5つの戦略」をご紹介したいと思います。

ミントロムによると、政策起業家の属性(蓄積されるもの、内在するもの。簡単に手に入るものではない)としては、「大志」「社会的洞察力」「信頼性」「社会性(社交性)」「粘り強さ」が挙げられています。

スキル(学べるもの)としては、「戦略的思考」「チームビルディング」「エビデンスの収集」「議論すること」「複数の傍観者(グループ)を巻き込むこと」「交渉力」「ネットワーキング」を挙げています。

具体的に行う戦略としては、(1)問題のフレーミング(2)ネットワークの活用と拡大(3)アドボカシー連合との協働(4)模範を示して、リードする(5)変革プロセスのスケールアップの5つです。

ミントロムを筆者翻訳 *クリックすると拡大します
mitsuishunsuke

三井 俊介(NPO法人SET理事長)

特定非営利活動法人SET 理事長・NPO法人高田暮舎理事・地域政党とうほく未来創生 副代表 1988年、茨城県つくば市生まれ。NPO法人SET (2019年内閣総理大臣賞受賞)理事長。新公益連盟北海道・東北ブロック共同代表。元岩手県陸前高田市議。大学院に通いながら大学教鞭もとり、政策起業家研究のアウトプットをおこなう。 2022年3月に「政策起業家が社会を変える」出版。note /執筆記事一覧

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