企業のサステナビリティ、95%が不十分:15カ国調査

日本オラクルは4月22日、企業のサステナビリティの取り組みに関する意識調査を発表した。日本を含む世界15カ国の消費者約1万人に調査したところ、深刻化する気候変動問題などで約9割がこれまで以上に企業経営にサステナビリティが重要になると答えた一方で、95%がサステナビリティの取り組みが十分ではないと回答した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

企業にはサステナビリティの取り組みを求めるが、その要望に十分に応えられていないことが分かった

この調査はオラクルと米ハーバード大学研究機関のCIOアドバイザー・パメラ・ラッカー氏が協働で行った。2月25日から3月14日に米国、英国、フランス、UAE、南アフリカ、ブラジル、中国、日本など15カ国1万1千人以上の消費者に企業のサステナビリティの取り組みなどについて調査した。1万1千人以上の回答者のうち日本の消費者は500人。

日本の消費者の89%が、これまで以上にサステナビリティと社会的な要素が重要になってきたと回答し、そのうち64%はこの2年間に起きた出来事が自らの意識を変えたと答えた。

企業経営にサステナビリティが重要になると多くの人が考えるようになったが、95%はこうした問題に対して企業が十分な取り組みを示せていないと答えた。その原因として、36%が「他の優先事項に忙殺されている」、35%が「長期的な視点よりも目先の利益を重視したから」とした。環境保全が「利己的過ぎる」と27%が答えた。

この調査結果から、企業のサステナビリティの取り組みにはファクトを持った活動が必要になってきたことが分かる。調査では91%が、AIやテクノロジーを活用することで、サステナビリティが向上すると考え、68%が、人が不得意とする領域でAIやテクノロジーが貢献できると考えていることが分かった。

オラクルのグローバル・マーケティングSaaS担当のユルゲン・リンダー・シニア・バイスプレジデント兼CMOは、「利益とサステナビリティのいずれかを優先する必要があるという誤った思い込みをしているビジネスリーダーがいるが、これはゼロサム・ゲームではない。人々は言葉だけでなく透明性のある断固たる行動を求めている」とし、テクノロジーの活用を強調した。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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