料理の持ち帰り、丸の内エリアの74店舗で実証実験

三菱地所は4月21日、東京・丸の内エリアの飲食店舗で、希望者へ料理の持ち帰りを促進する「MARUNOUCHI TO GO プロジェクト」を開始した。再生紙を使用した紙袋と専用容器を無償配布し、食べきれなかった料理の持ち帰りを促進することで、廃棄物再利用の循環システムの構築と、食品ロス削減に取り組む。期間は6月30日まで。(オルタナ副編集長=山口勉)

ロゴはグラフィックデザイナーの廣村正彰氏(廣村デザイン事務所)の手による

日本では食べられるにもかかわらず廃棄される「食品ロス」が年間約621万トン発生しており、このうち約339万トンが食品産業から出ている。そのうち約120万トンが飲食店などの外食産業から発生しており、食べ残しによるものが相当程度を占める。

環境省などは通知を出し、飲食店や消費者に食べ残しの持ち帰りを実施するよう呼びかけているが、あまり広がっていない。消費者庁の調査では、外食時に食べきれなかった料理を持ち帰ることに9割が賛成する反面、実際に持ち帰ったことのある人は2割に留まっていることも明らかになっている。

スタートにあたり、三菱地所は、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町エリア)の飲食店舗からの協力を得た。希望者へ料理の持ち帰り専用容器「TO GO(食べ物持ち帰りの意味)BOX」と紙袋を無償配布することで、食品ロス削減につなげる。現在74店舗が参加しているが、途中からでも参加できるため今後のさらに増えることもある。

同社管理技術統括部の瀬川真理子氏は、「仮に1店舗あたり1日3件の持ち帰りがあった場合、約1万5000人にご利用頂けることになる」と期待を込める。6月30日までの期間限定だが、店舗や顧客の反応によっては、その後も継続することを検討する。

提供する紙袋は、丸紅グループと連携し、丸の内エリアのオフィスなどで発生した段ボール古紙を100%利用した。適正な管理のもとで生産された製品である証明のFSC認証も得た。容器は、バガス(サトウキビの搾りかす)でできており、電子レンジでも利用できる。

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山口 勉(オルタナ副編集長)

大手IT企業や制作会社で販促・ウェブマーケティングに携わった後独立。オルタナライターを経て2021年10月から現職。2008年から3年間自転車活用を推進するNPO法人グリーンペダル(現在は解散)で事務局長/理事を務める。米国留学中に写真を学びフォトグラファーとしても活動する。 執筆記事一覧

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キーワード: #フードロス

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