■【連載】政策起業家とは何者か(5)
日本では多くの領域でソーシャルビジネスが立ち上がっています。それではなぜ、「政策起業」が必要なのでしょうか。今回はその理由について考察します。結論から述べますと、ビジネスでは解決できない社会課題があるからです。(三井 俊介・NPO法人SET理事長)
今回は山口周氏の『ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す』(プレジデント社)を参考にします。
ビジネス書の書評を紹介している「BIZPERA」ではこのようにまとめています。一部抜粋します。
本書のメインメッセージ:ビジネスはその歴史的使命を終えつつある。
私たちの次の使命は、「安全で便利な快適な(だけの)世界」から「真に豊かで生きるに値する世界」へと変容させることである。
第一に考えたい論点は、私たちはどこにいるのか?
私たちの社会は、明るく開けた「高原社会」へと軟着陸しつつある。
特に先進国では、安全で快適に生きるための物質的生活基盤はすでにほとんど整備された。
低成長に陥ったのではなく、成長が完了して「高原社会」に辿り着いたと解釈する方が正しい。
これらを説明するために本の中で、出てきた表を紹介しながら、考察をしたいと思います。
まず、ビジネスの本質を「社会が抱える問題の解決」とした場合に以下の表を見てみてください。
縦軸が「問題の普遍性」・・・その問題を抱えている人の量
横軸が「問題の難易度」・・・その問題を解くのに必要な資源の量
とした場合に皆さんならA~Dでどこから着手しますか?