Z世代に「食のサステナビリティ」啓発を/MSC調査

非営利団体「MSC(海洋管理協議会)ジャパン」はこのほど、Z世代1000名に行った意識調査の結果を発表した。調査はSDGs(持続可能な開発計画)と食のサステナビリティに関するもので、72.9%がSDGs に関心を持っていることがわかった。その一方で、水産資源の減少についてはさらなる認知・啓発を進める必要性が浮き彫りになった。(オルタナ副編集長・長濱慎)

意識調査を行ったMSCのホームページ

■関心のあるSDGsゴールは「貧困をなくそう」

MSCは、世界的な漁業認証規格「海のエコラベル」の発行機関として知られる。今回の意識調査は同団体の日本事務所が、1997年〜2012年生まれの男女1000名にインターネットで行ったものだ。

調査では72.9%が「SDGs 17ゴールのいずれか一つに関心がある」と回答。最も関心のあるゴールは、表のような結果となった。

「サステナブルな社会を実現する取り組みや課題に関心がある」と答えたうち、89%が「自ら行動したい」と回答。サステナビリティを最も意識するのは「買い物のとき」という回答が多かった。

「多少高くても選びたい食材」については、安全性や環境配慮が上位となり、食のサステナビリティへの意識の高さがうかがえる。

■水産資源の減少を半数以上が「知らない」

「食材購入時に最も意識すること」については、野菜・果物や肉対に比べると、魚介類には意識が及んでいないことが明らかになった。

過剰漁獲によって水産資源が減っていることは半数以上が「知らない」という結果に。ただし、海洋生物の半減という問題に対し何をすべきかという質問には「獲りすぎを減らす」など、的確な回答が目立った。

知る機会さえあればZ世代は問題意識を持ち、行動に移る可能性が高い。今回の意識調査から、情報発信や啓発活動の大切さが改めて浮き彫りになった。

S.Nagahama

長濱 慎(オルタナ副編集長)

都市ガス業界のPR誌で約10年、メイン記者として活動。2022年オルタナ編集部に。環境、エネルギー、人権、SDGsなど、取材ジャンルを広げてサステナブルな社会の実現に向けた情報発信を行う。プライベートでは日本の刑事司法に関心を持ち、冤罪事件の支援活動に取り組む。

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キーワード: #SDGs

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