大阪ガスはこのほど、再生可能エネルギー事業などへの充当を目的にしたトランジションボンド(10年債・100億円)の発行を発表した。トランジションボンドとは、企業の温室効果ガス排出削減に向けた長期的な移行(トランジション)戦略に則った取り組みを資金使途として発行する社債である。(オルタナ総研フェロー=室井孝之)

具体的な資金使途は、再生可能エネルギー事業(印南風力発電所、野辺地陸奥湾風力発電所、横浜町風力発電所)、Daigas大分みらいソーラー(日産グリーンエナジーファームイン大分))に充当する。

Daigasグループは、2021年1月に、「Daigasグループ カーボンニュートラルビジョン」を発表し、2050年の「カーボンニュートラル実現」に向けた取り組みを進めている。

日本政府はパリ協定の目標達成に向け、多排出産業の脱炭素に向けた省エネやエネルギー転換などへの「移行」に焦点を当て、資金供給を促す「トランジション・ファイナンス」を推進する。

経済産業省は2021年7月、「クライメート・トランジション・ファイナンス モデル事業」を立ち上げた。モデル事業の目的は、トランジション・ファイナンスによる資金調達の事例を積み上げ、市場形成につなげることだ。

モデル事例の評価視点は、「トランジション・ファイナンスとしての適合性」「金融商品としての先駆性・先進性」「業界内外に対し普及に向けた好影響」「我が国のGHG削減、経済的貢献等」の4点である。

トランジション・ローン、トランジション・リンク・ローン、トランジション・ボンド(いずれも社債)が対象となる。モデル事業となる案件に対しては、外部評価機関のコストの9割が支援される。

2011年度のモデル事業は、商船三井、川崎汽船、JPFホールディングス、日本航空、住友化学、東京ガス、JERA、IHI、大阪ガス、三菱重工業、出光興産の11社を選定した。