就活生は企業のサステナビリティをどう見ているのか

気候変動やジェンダー、貧困など、Z世代を中心とした若者の社会課題への関心は高まっています。この動きに比例して、キャリア選びにおいても、SDGsやサステナビリティを軸に就職先を選ぶ人が増えてきました。では、リテラシーが高い就活生は企業のサステナビリティをどう見ているのでしょうか。(アレスグッド=小泉 義貴)

アレスグッドが運営する「エシカル就活」は、社会課題の解決に取り組む学生と企業のための就活・採用プラットフォーム。アレスグッドはZ世代のメンバーから成り立つ。写真中央が小泉氏

日本総合研究所は2020年に全国の中学生、高校生、大学生を対象とした意識調査を行いました。その結果、47.2%の若者が「環境問題や社会課題に取り組んでいる企業で働く意欲がある」と答えました。

メディアや教育機関によって、SDGsを目にする機会が増え、Z世代にとっては、サステナビリティは「一般化」したと言えるでしょう。

一方、SDGsやサステナビリティがトレンドになったことで、就活生にとっては大きな弊害も生じています。

多くの企業が株主や顧客、消費者をはじめとしたステークホルダーに対して、免罪符のようにSDGsを掲げています。実態が伴わない「SDGsウォッシュ」も散見されるようになりました。

関心度の高い学生たちからは、「SDGsを頻繁に使っている企業ほど懐疑的に見てしまう」という声が出るようにもなりました。

社会課題の解決のために働きたいと就活生が考えるようになっても、本気で取り組んでいる企業を探すことができない状況に陥っているのです。

「取り組んでいる風」は逆効果、社内への浸透と本気度がカギ

SDGsがトレンドになった現代では、就活生は企業の取り組みの「本気度」を測るモノサシを持つことが重要です。

インターネットの情報を参考にしながらも、現場で働く社員からの「リアルな声」を求める学生は増えています。

本気で社会課題の解決に取り組みたい学生に対して、実態が伴わない見せかけのPRはもちろん逆効果です。これをトレンドと捉え一朝一夕に企業が変わることも容易ではありません。

現場社員への浸透度も、企業の本気度を測るモノサシです。企業が定義したマテリアリティ(重要課題)へのコミットメントもそうです。

サステナビリティを発信する際に企業担当者に伝えたいことは三個あります。第一に、サステナビリティは一過性のトレンドではなく、長期的に取り組むべきテーマであるという意識を持つこと。

第二に、企業の存在意義(パーパス)に沿い、自社が取り組むスコープを定め、変革に取り組むこと。最後は、それらを既存の社員に適切に伝え、組織の一人ひとりへ意識の浸透を図る取り組みを忘れないことです。

Z世代の関心が高くなった時代だからこそ、こうした点を意識することで、未来に選ばれる企業になるはずです。

社会課題軸で企業を探せる「エシカル就活」とは

「エシカル就活」は、社会課題の解決に取り組む学生と企業のための就活・採用プラットフォームです。産業界のサステナビリティ・トランスフォーメーションを加速させるため、社会課題に関心のある学生と厳選した「エシカル企業」との出会いをつくります。

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小泉 義貴(アレスグッド)

2022年、専修大学経営学部卒業。学生時代にユアマイスター(株)でのインターンを経て、複数の業界でビジネスサイドの業務を幅広く経験。その後、服役経験者向けの就労支援事業を立ち上げる。現在は(株)リテイギで新規事業開発を行いながら、アレスグッドでマーケティングを推進。

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