SDGsアウトサイド・インWS認定ファシリ講座開く

■記事のポイント
①オルタナはSDGsアウトサイド・インを実践する独自のメソッドを開発
②アウトサイド・インは社会課題を起点に事業創造するビジネス戦略だ
③8月5日、公式ワークショップの認定ファシリテーター養成講座を開いた

オルタナは、SDGs「アウトサイド・イン」のメソッドを社内外に浸透させるためのワークショップを開発した。「アウトサイド・イン」は社会課題を起点に新規事業を創出するビジネス戦略を指す。市場ニーズだけでなく、「社会ニーズ」を探ることで、社会の変化にいち早く対応できる。その手法を広く共有し、ビジネスパーソンの行動変容を促すため、「認定ファシリテーター養成講座」を8月5日に開いた。(オルタナ編集部・萩原哲郎)

ワークショップでは「アウトサイド・イン」を体験

■アウトサイド・インとは

アウトサイド・インはSDGs(持続可能な開発目標)のビジネス指南書「SDGsコンパス」に記載がある公式用語だ。オルタナは、それを「社会課題をいち早く探して新規事業のニーズやシーズを見つけ、それに対応する商品やサービスの開発を進める」ことと再定義した。

アウトサイド・インには3つの条件がある。①社会課題起点であること②世界初・日本初であること③経営層が重要性を理解していることだ。1933年創業のオムロン(当時は立石電機製作所)は好事例だ。創業者が「社会ニーズを見つけよう」と社内に呼び掛けて、多くの世界初・日本初の製品を開発してきた。

■市場の「現在顧客」ではない、「未来の顧客」を創造

企業が持続的な成長を続けていくためには、アウトサイド・インが不可欠となった。その背景には「サステナビリティ経営」の台頭がある。サステナビリティ経営は「CSR」(社会からの要請)、「ESG」(株主や投資家からの要請)、「SDGs」(国連やNGOからの要請)という「3つの要請」に応える経営手法だ。

サステナビリティ経営は企業のブランド価値を高めるだけでなく、事業そのものを加速させる。ユニリーバのポール・ポールマン前CEOは「ユニリーバが展開する約400のブランドのうち、サステナビリティを前面に掲げた28ブランドは他のブランドより成長が69%早い」とした。

アウトサイド・インは、社会課題を起点にして事業をつくりだすことで、市場の「現在顧客」ではない、社会の中にいる「未来の顧客」を創造することが狙いだ。

■認定ファシリ養成講座の第2回は22年10月開催へ

SDGs「アウトサイド・イン」認定ファシリテーター養成講座は、このアウトサイド・インのメソッドを身に付けるファシリテーターを育成する。オルタナは同講座を年6回開催(偶数月、すべて同一内容)し、受講生はこのうち3回まで無料で参加できる。

講座ではアウトサイド・インが事業戦略の上で重要になった背景を解説し、ワークショップでその手法を体験する。受講生は講座終了後、レポートを提出するとともに、その後、自ら主催したワークショップで参加者の7割以上の満足度を得ると「認定ファシリテーター」となる。認定ファシリテーター養成講座の次回開催は10月の予定だ。

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萩原 哲郎(オルタナ編集部)

2014年から不動産業界専門新聞の記者職に従事。2022年オルタナ編集部に。

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