元素カルタ開発の12歳社長「レウォンくん」とは

記事のポイント
①元素についてかるたで学ぶ「元素カルタ」を開発したのは12歳の男の子
②クラウドファンディングで約400万円を集め、全300枚のカルタを開発
③若干12歳ながら会社を立ち上げた「レウォンくん」とは

公益社団法人ジャパンチャレンジャープロジェクトはこのほど、東京証券取引所でビジネスマッチングイベントを開いた。当日は5人の起業家や地域活性を目指す高校生が投資家向けにプレゼンした。スペシャルゲストとして、元素カルタを開発した12歳社長のリー・レウォンさんが登壇し、自身の原動力について話した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

レウォンくんは「元素カルタ」や「漢字ミッション」など自身が感じたモヤモヤを解消する製品を開発

イベントの名称は、「JAPAN CHALLENGER GATE」。上場を目指す起業家が投資家向けにプレゼンすることで、「投資家目線」を学ぶことを目的とした。

登壇した起業家は5人。メタバース経済圏を牽引する総合エンタメ商社Brave groupの野口圭登さん、ロボットの販売・開発・製造プラットフォームを運営するVFRの湯浅浩一郎さん、シルクを通した研究開発を行うながすな繭の永砂和輝さん、クリエイター向けのプラットフォームを運営するしくみデザインの中村俊介さん、情報テクノロジーで課題解決に取り組むKOLテクノロジーズの池田和泉さんだ。

登壇者の一人VFR 社の湯浅浩一郎社長は、ロボットの販売・開発・製造プラットフォームについてプレゼンした

藤野英人・レオスキャピタルワークス会長、井川幸広・クリーク・アンド・リバー社長らが起業家たちのプレゼンを聞き、投資家目線でガバナンス体制や事業戦略を質問した。

藤野英人・レオスキャピタルワークス会長

このイベントでは、起業家の「卵」の育成を目的に高校生も登壇した。地域活性を目指し株式会社を立ち上げた高校生たちだ。登壇したのは、千葉県立銚子商業高校、英数学館中・高校、秋田県立西目高校、安田女子中学高校の4校。

事業のシーズは自身の「モヤモヤ」から、12歳社長

スペシャルゲストとしてpolarewon(ポラレオン)を立ち上げた李 禮元(リー・レウォン)さんが登壇した。レウォンさんは若干12歳ながら、元素の仕組みをカルタ形式で学ぶ「元素カルタ」や楽しく漢字を学ぶ「漢字ミッション」などを開発した人物だ。

レウォンさんは、「自身が抱くモヤモヤを突き詰め、社会課題の解決につながる事業につなげたい」と強調した。開発したサービスのアイデアは、自身のモヤモヤから生まれたと言う。

自身が感じた課題意識をもとに社会課題を見つけ、その課題を解決するサービスを考案する

例えば「漢字ミッション」は漢字を書くことを繰り返す「漢字ドリル」への違和感から生まれた。元素カルタは、世界のすべてのものが元素からできていることを知り、もっと元素の魅力を伝えたいと思ったことがきっかけだ。

元素カルタを開発するためクラウドファンディングに取り組んだが、629人から約380万円を集めた。その資金で開発に取り組み、試行錯誤しながら全300枚のカルタをつくった。水素からラジウムまで元素の身近な用途と解説を読み札として、絵札はシンプルでエレガントなデザインにした。東京大学の監修も得た。

レウォンさんは「言ってみる」「行ってみる」「やってみる」の三つの言葉の頭文字から「いいや」の法則が原動力と語る。「やり続けていると、共感して応、援してくれる人に出会える。『いいや』はぼくにとって、夢を実現する法則です」と話した。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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