三菱地所などが食農拠点を整備へ、都市と地域の交流を促進

記事のポイント


  1. 三菱地所などは食と農の産業支援施設整備に向けたプロジェクトを始動
  2. 25年竣工の大型ビルに施設をつくり、地域や企業・消費者との交流拠点に
  3. 竣工までの3年かけイベントなども、「多様な交流の場、仕掛けをつくっていく」

三菱地所など4社はこのほど、「めぐるめくプロジェクト」をスタートした。2025年竣工の大型ビル内で計画する食と農の産業支援施設の整備に向けて取り組みを進める。施設では食の生産や加工などの「タベモノヅクリ」を担う人を「チャレンジャー」と定義して、シェアオフィスの提供やコミュニティ形成を行う。ビル竣工までの3年間はイベントなどを通じてネットワークを広げる。(オルタナ編集部・萩原 哲郎)

9月29日の記者発表会では参加企業と連携する地域食農拠点の担当者が登壇

■生産者と生活者などのネットワーク形成へ

プロジェクトは施設の開設に先立ち食農共創拠点などとの連携を広げることで、地域間・プレイヤー間の交流、生活者とチャレンジャーの交流の促進を図る。参画する企業は三菱地所以外に、ロフトワーク(東京・渋谷)、シグマクシス(東京・港)、70seeds(東京・江東)の3社。

食や農業については食料自給率や就農者の減少、フードロスなど様々な課題があがる。一方で、「食農共創拠点」という地域に根差した生産・加工へのチャレンジが広がる。これらは多様化する食のニーズや、既存のバリューチェーンに依存しない多彩な生産・加工のあり方を目指す取り組みだ。

三菱地所の広瀬拓哉氏は「食料自給率や就農者の減少、フードロスなど様々な課題がある」と指摘する。プロジェクトでは、都市の生活者が「タベモノヅクリ」に関与する機会の提供や地域のチャレンジャーなどとのネットワーク形成を目指す。「多様な交流の場や仕掛けをつくっていきたい」とした。

9月29日に行われた記者発表会では参画企業のほかに、宮崎と奈良から地域食農拠点の担当者が登壇。今後も地域食農拠点との連携を広げていく。すでに北海道と大阪の拠点と連携を予定する。

施設は2025年竣工予定の新築ビルの2~4階のフロアを予定する。広瀬氏は「当社ではこれまでも食と農に関する取り組みを推進してきた。今回の施設は、テナント募集活動においても重要なフックになると考えている」と語った。

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萩原 哲郎(オルタナ編集部)

2014年から不動産業界専門新聞の記者職に従事。2022年オルタナ編集部に。

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キーワード: #農業

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