椎名林檎「ヘルプマーク類似グッズ」、何がダメか

記事のポイント


  1. 椎名林檎のアルバム特典グッズが「ヘルプマークに似ている」とSNSで話題だ
  2. ヘルプマークは支援や配慮を必要とする人が助けを求めるために付ける
  3. 今回は何がダメだったのか、障がい者雇用に詳しい専門家に解説してもらった

歌手の椎名林檎のアルバムの特典グッズが「ヘルプマークに似ている」とSNSで話題だ。アルバムの販売元であるUNIVERSAL MUSIC STOREは10日、同アルバムの専用サイトに「(特典グッズは)弊社内で協議しております」とリリースを掲載した。ヘルプマークは支援や配慮を必要とする人が付けるものだが、今回何がいけなかったのか、専門家に聞いた。(オルタナS編集長=池田 真隆)

ヘルプマークの啓発ポスター

今回、SNSで話題になっているアルバムの特典グッズは赤地に白い十字マークがデザインされている。SNSでは「ヘルプマークに似ている」と批判が相次いでいた。

ヘルプマークは周囲に配慮を必要としていることを知らせるマークだ。対象者は義足や人工関節を使っている人、難病や妊娠初期の人などだ。外見では分からなくても援助や配慮を必要としている人が持つ。

東京都が作成し、2012年から都営地下鉄大江戸線で配布を始めた。2017年7月に日本工業規格(JIS)に登録された。駅やバスの営業所、病院などが無料で配布している。東京都保健福祉局の調査では、2021年10月31日時点で全都道府県が導入した。

民間企業として日本で初めて障がい者雇用サービスを立ち上げたゼネラルパートナーズ(東京・千代田)の進藤均社長は、今回の問題点をこう話す。

「似ているグッズにより支援者側の見極めが困難となる恐れがある。そうなると本来望ましい行動を促すヘルプマークが誤認され、助けが必要な人に助けが届かなかったり、無視されたりすることがある」

さらに、「本来助けの不要なファングッズをつけた人に声掛けがされてしまうなど無用なトラブルを引き起こしかねないこともある」とした。

進藤社長は、ヘルプマークの重要性について、「助けを必要としている人が何らかの助けが必要だという意思表示ができる点にある」と話す。「自分から言い出せないですし、見た目では気付かないことを気付いてもらえるという効果がある」。

M.Ikeda

池田 真隆 (オルタナS編集長)

株式会社オルタナ取締役、オルタナS編集長 1989年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。 環境省「中小企業の環境経営のあり方検討会」委員、農林水産省「2027年国際園芸博覧会政府出展検討会」委員、「エコアクション21」オブザイヤー審査員、社会福祉HERO’S TOKYO 最終審査員、Jリーグ「シャレン!」審査委員など。

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キーワード: #ジェンダー/DE&I

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