「環境を良くして稼ぐ」、グリーンビジネスを学ぶ

■小林光のエコめがね(22)■

記事のポイント


  1. 筆者が講師を務めた「グリーンビジネス実践」が成功裏に終了した
  2. 演習参加者のアクティブラーニングの比率が圧倒的に高かった
  3. 受講者はCO2見える化など最重要課題の改善に挑戦するビジネスを提案した

研修プログラム「グリーンビジネス実践」で

5月12日号掲載の本欄で、その受付開始を報告した社会人相手の演習、「グリーンビジネス実践」は21人の現役ビジネスパーソンのご参加を得て6月中旬に開催され、9月末、成功裏に終了した。

この演習の特色はいくつかあるが、大学で私や吉高まり先生が講じていることと比較すると、演習参加者のアクティブラーニングの比率が圧倒的に高い。参加者は計4回のビジネス案の提示が求められる。

そのテーマも、CO2見える化、ゼロウェイスト、生物多様性、再エネ最大活用といった現下の最重要課題の改善に挑戦するビジネスの提案という難関であった。参加の方々は、さすがに現役のビジネスパーソンであり、業務外でわざわざ新しい取り組みにチャレンジしようという猛者の方々であったので、私や吉高先生から見ても魅力的なビジネス提案がたくさん出てきた。

一部を下記に引用した、この演習終了後のアンケートでも、お陰様で良好な満足度を回答いただいた。それだけでなく、参加者の方々からは、次の年にこうした演習をするなら、ということで沢山の建設的な改善アイデアを頂戴した。

「グリーンビジネス実践」受講生の声

例えば、私どもコーディネーター役は敢えて辛口の批判をして、参加者にビジネス案を練り直させてもいいのではないか、などである。期待に応えて、来年度も開講するつもりなので、さらなる猛者の方々のご参加を願う次第である。

私としても、このような演習的な取り組みは、新たなビジネスの創出を通じ、世の中を変えるきっかけになるとの実感を高めることができ、本当に嬉しかった。ご関心の向きは、主催事務局を担ったCityLabTokyoのHPに掲載された報告レポートを参照されたい。

hikaru

小林 光(東大先端科学技術研究センター研究顧問)

1949年、東京生まれ。73年、慶應義塾大学経済学部を卒業し、環境庁入庁。環境管理局長、地球環境局長、事務次官を歴任し、2011年退官。以降、慶應SFCや東大駒場、米国ノースセントラル・カレッジなどで教鞭を執る。社会人として、東大都市工学科修了、工学博士。上場企業の社外取締役やエコ賃貸施主として経営にも携わる

執筆記事一覧

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..